ネオ天草のジャンプ感想日記

ジャンプ感想を主に書いています。

映画『キングスマン: ゴールデン・サークル』感想

 今作はあの悪名高い教会のシーンみたいな悪趣味さがあまり見られなくて、良くも悪くも毒気が薄かったかも。

※以下、ネタバレ注意
 おもしろスパイ組織の内情が説明されるワクワク感がない分、前作程ではなかったけど、それなりに楽しめた。

【ポピー】
 ただ、敵のボスには結構不満があったかなあ。
 麻薬オバサンことポピーさんは、人間ハンバーガーを披露した冒頭こそ狂人としての凄みがあったものの、偽トランプ大統領というもっとヤベエ奴がいたせいで初手から計画が破綻しており、悪役としては小粒に感じてしまった。

 偽トランプにもっと焦点を当てて、彼を最後に倒す話にするか、ポピーは大統領が要求を呑まないことすら読んでいて、更なる手を打っていた、という展開の方が盛り上がったんじゃないかと思う。


【ウィスキー】
 てっきりゴールデンサークルと繋がっているものと思っていたので、見事に騙されてしまった。

 ハリーに対して「いやウィスキーが裏切者だという根拠を言えよ! 何で説明しないんだよ!」とイライラしていたのだが、彼が解毒剤をわざと叩き落とした「ように見えた」ことだけが根拠だったわけね。
 そりゃまあ、頭の調子を疑われている状況じゃ説明しても無駄だよなあ。

 それにしても、新旧ガラハット師弟を同時に相手しながら互角に戦うとか、ウィスキーさん強すぎませんか。
 キングスマンの誰もタイマンでは彼に勝てそうにないな。

 割と可哀想な過去を背負った人だから殺さずに逮捕だけで済ませるのかなと思いきや、ムチャクチャ残虐な殺され方をした上に、「クソが!」という捨て台詞まで吐かれて一切同情されないという酷すぎる最期を迎えていて正直笑ってしまった。


【偽トランプ大統領
 悪の組織のボスの要求を一切受け入れず、逆に乗っかるという中々新鮮なキャラだった。

 しかし、白人の麻薬中毒者やその家族のような下流・没落した中流階層こそがトランプの支持層なので、彼らを見殺しにしてしまうと大事な票田を失ってしまうんじゃ……という疑問はあったかな。
 いやまあ、トランプ本人ではないんだけど。

 
あと、麻薬なら上流階級の子弟も使用してる人間はいるだろうから(スウェーデン王女がまさにそうだし)、ポピーの要求を呑むように各界の大物からだいぶ強烈な圧力がかかってそうだ。
 
 その圧力を物ともせず、麻薬中毒者死亡後の大バッシングを全く恐れないのは何気に凄いと思うんだけど、これもある意味さすがはトランプと言うべきなのかもしれない。


【その他】
・みんな言ってるだろうけど、封神演義が再アニメ化されたときにキングスマン2が放映されてるのは不思議な巡り合わせ。人肉ハンバーグ繋がりで。

スウェーデン王女と恋仲になっているとは予想外。
・前作でビッチとして描かれたうえに、ヤク中にまでされてスウェーデン国民はキレないのかね。
・よほど王室の権威が失墜してるのか、それともキレてるけど製作者が無視してるのか。

・王女じゃなくてこっちをヒロインにしろよと評判のロキシーさんはミサイルを察知して退避したように見えたからてっきり生き残ってると思ってたんだけど、結局出てこなかったな……。
・まあ、続編があったらマーリン共々普通に再登場しそうだけど。

・新しいアーサーはバレンタイン事件のときにはどこにいたんだよ。
・ひょっとして前作でキングスマンの一人として登場してる?

・前回、エグジーとマーリン達だけで行動したのは、「アーサー以外にも裏切者がいるかもしれないから」という理由で、他のキングスマンが全滅したとかではなかったと記憶してるけど、今回はみんな死んでしまったからいよいよ組織自体が壊滅状態だよなあ。

・まあ、続編があったら彼らもそれぞれ自力でミサイルから身を守ったみたいなオチになってもおかしくはないか。

・某少年探偵漫画の黒い組織のせいで、ステイツマンのコードネームにニヤニヤしてしまった。