ギルティクラウン 第3話 「顕出 void-sampling」
涯は切れ者か、それとも単なるバカか狂人か。
ラスト直前までは文句から始めるつもりでしたが、そうは問屋が卸さないラストでした。
【目撃者】
シュガーこと尋（これでヤヒロと読むのか）を、集といのりに捜索させたのは、この結末を迎えさせる為だったのかなあ。
※ヤヒロの漢字は谷尋でした。変な名前多いなー。
どこまでが涯の計算通りで、どこからが違うのか現時点では分かりません。
もし、集がシュガーに裏切られて通報され、逮捕されることまで目論み通りだとすれば、その目的はなんでしょうか。
思いつくのは、そうして集に後戻りできなくさせて追い込んだうえで彼を奪還し、葬儀社に引き入れること、くらいですかね。
しかし、これはあまりにもリスキーだよな。
確実に救出に成功する見込みでもあるんだろうか。
これについては次週待ちか。
というか、仮にこの結末が涯の目論み通りだとしても、目撃者捜しをボイドを片っ端から調べるという方法で、しかも集といのりだけにやらせたのはダメでしょうよ。
万が一教師なり生徒なりにボイドを取り出す場面を目撃でもされたら、騒ぎになる恐れは十二分にあるわけですから。
リスキーどころか、無謀無策に等しいんじゃないか。
しかも、いのりってマイナーなネットアイドルとかじゃなくて有名人だったんですね。
そんな人を転入させてきて、目撃者捜しをやらせるとか一体何を考えてるんだ涯は。
別にバレても良かった、ということなのかなあ。
うーん、そうか、もし彼の目的が「集を逮捕させて救出すること」だとしたら、目撃者探しに成功するかどうかなんて関係がないわけか。
途中で騒ぎになり、集が逮捕されたとしても計画通りなのか。
そして、集が目撃者の始末に同意したとしても、共犯者意識を植え付けることで、葬儀社に引き入れることが出来る。
どちらにしても、目的は達成される。
目撃者が集のことをバラさないという約束をして、それを守ったら別ですが、ジャンキーはそんな約束は守らないという考えでしょうね。
おお、何か考えてみると話が繋がってきました。
とはいえ、これらは「集を確実に奪還できる手だてがある」ということが前提ですけどね。
涯がいのりを死なせたくないと考えているならいのりも含めて。
あるいは、もしかすると、上記以外の自分が思いもよらない目的があるのかもしれませんけれども。
涯が策士キャラとなるか、考え無しのバカになるかは来週次第だなあ。
ただ、「目を合わせないとボイドは取り出せない」という条件を予め集に伝えておかないなど、ちょいちょい穴は見られますけどね。
どう考えてもこの情報は、先週、ダリル・ヤン少尉からボイドを取り出す作戦の前に伝えておかないとダメでしょ。
これに関しては（少なくとも自分には）好意的に解釈できないです。
これも何か自分には想像も及ばない隠された目的がある可能性も……、いや、無いなこれは。
だって、もし集が目を合わせることをしなくてボイド取り出しに失敗していれば全てがおじゃんだもの。
よく気がつく良い人を演じてたシュガーこと尋は、自分の存在が葬儀社に発覚していると確信するまでは黙っておくつもりだったんでしょうか。
「葬儀社に入ってたらこんなもんじゃ済まないだろ」と集に言ったのは鎌をかけたのかな。
まあ、集は手を出さないと言いましたが、相手はテロリストですからね。
仮に集が手を出すつもりが無くとも、他の人間に殺される危険性はあるわけで。
そう考えると、裏切って当局に通報しちゃったことは理解は出来ます。
いやでも、「なぜその場にいたんだ？」という疑問を当局は当然抱きますよね。
匿名で通報したのか、それともノーマジーンの罪を問わないとかいう取引を持ちかけて、それが当局に受諾されたのか。
【ヴォイド】
・ボイドは１７歳以下の人間からしか出せない。
・取り出された相手はボイドが取り出される前後の記憶を喪失する。これはイントロンの記憶野が開放された時のショック。
・ボイドを取り出す際は、相手に「目が合っている」と思わせる必要がある。
後ろ２つはギアスを思い出（ry
多分あちこちで言われているでしょうから、あえて言いません。
で、涯はなぜか人々のボイドが見えるようです。
ただ、「目撃者がいるのを感じたからそいつのボイドを見た」という涯の話は不自然なところがありますね。
なぜ、目撃者に気づけたのか、という説明が抜け落ちています。
これには３つほど考えられますね。
１，涯は心が限定的に読める（あるいは感知する）といった能力も持っている。
２，怪しい（服装や行動等）人間を葬儀社メンバーが発見。追跡し、彼が現場から離れていったことから、フォート（ポート？）の住人ではないと判断し、さらに調査。素性と彼のボイドまで調べ上げる。
３，ただの偶然。本当に「感じた」だけ。つまりご都合主義。
個人的な本命は２かな。
シュガーの正体を集のクラスメイトで同じ同好会の人間だと知ったからこそ、今回の作戦を立案し、集といのりに嘘の情報を与えて、既に終わっている目撃者捜しをやらせたのではないかと思います。
なにせシュガーが集の学校の生徒だと分かった経緯も不明ですからね。
まさか、尋にしてもドラッグを買うのに制服を着ていくわけもないですし、そうなるとジーンドラッグの売人から聞き出した情報で判断したか、あるいは追跡調査をして学校が判明したか、ということになります。
もし、追跡調査をしていたのならば、集やいのりにあんな真似をさせずとも、尋にまで達していたはずで、葬儀社は既にシュガーのことを完全に把握、そのうえで偽の捜査を集にやらせた、という可能性が濃厚ではないかと。
１でもボイドの設定的にはおかしくはなさそうですけどね。
ボイドが見える、分かるという涯の能力とも合致しますし。
３だけは無いように祈ります。
ちょっと引っかかったのは、集が涯の能力に早く気づきすぎじゃないかということ。
ダリル・ヤンのボイドをあらかじめ涯が知っていたとしても、それは、他のボイドゲノムの使い手が少尉のボイドを取り出し、その情報を葬儀社が得ていたのかもしれないわけですし。
まあ、でも、シュガーのボイドを知っていることはそうはいかないですから、涯（とは限らないですけど）はボイドが見えるという結論に至るのは妥当ではありますけどね。
上記の可能性について全く触れられないのと、集の返しが早すぎたせいで、引っかかってしまいました。
意外と集は頭の回転が速い切れ者キャラなのかな。
【ヴォイド２】
「ボイドの形や機能は持ち主の恐怖やコンプレックスを反映している。いわば心の形」
このコンプレックスというのは「劣等感」という意味で良いんでしょうか。
ということは、心の形とはいえ、ボイドは「負」の部分から作られる？
今週出てきたボイドは、尋はハサミ、もう一人の同窓会メンバーはビデオカメラ？
他には、壺・冷蔵庫・ペンチなどが出てきましたね。
うーん、ハサミはまだ分からないでもないですが、あとは何が怖いのか分かりません。
同窓会の友達２人のボイドは、後で解説があるのかな。
分からないといえば、ダリル少尉も分かりませんね。
彼のボイドは万華鏡。なぜ万華鏡が怖いんだ。
歪みきったあの性格に関係しているのだろうか。
というか、あれ、形は万華鏡に見えませんでしたよね。
乱反射させる機能から付けられた名称だとばかり思っていたんですが、どうなんだろう。
そういえば、涯のボイドが分かる能力（それが本当だとしたらですが）は、形だけではなく機能まで分かるのか。
万華鏡という名称の由来はともかくとして、機能が分からないとあの作戦は立てられないですからね。
さて、問題はいのりのボイド。
なぜ彼女のボイドが剣であるのかという疑問を、集も抱いていましたね。
ここでね、ピンと来てしまいましたよ、あたしゃ。
輪るピングドラム１５話で、似たような表現を見た直後だからなんですけどね。
すなわち、あの話での鑿（ノミ）と同じではないかと思うのです。
その体験がいのりに恐怖とコンプレックスを植え付け、あのボイドが生まれた。
はっきり書けば、いのりは強姦された過去があり、あの剣は男性器を表しているのではないかと。
とはいえ、ピングドラムの場合は明らかにそれのメタファーでしたが（もし実は時籠ゆりは父親に性的暴行を受けていたわけではないという展開だったとしても、その場合、スタッフはミスリードしようとしていたことは確実でしょう）、いのりに関しては情報がまだ少なすぎるので決めつけるのは尚早ですけどね。
ピングドラムの件で、それに引きずられているでしょうし。
普通に考えれば、そのまんま怖いのは刃物で、それで傷つけられた、あるいは誰かが殺された、みたいなことの方があり得そうですからね。
おそらく、考えすぎだろうと思います。
それに、もし、いのりがレイプ被害者であれば、あそこまで男性に無警戒で、あまつさえ服を脱ぎ出すなど不自然極まりないですから……と書いて、フラクタルでも全く同じことを書いたことを思い出しました。
ま、現時点では単なる思いつきでしかないです。
考えすぎで終わることを祈ります。
【葬儀社】
「俺たちは淘汰されるものに葬送の歌を贈り続ける。故に葬儀社。俺たちは抗う。この国を我が物顔で支配するＧＨＱに。俺たちは戦う。俺たちを淘汰しようとする全てのものと」
涯は顔をさらすんですね。
彼が葬儀社の象徴となるわけか。
いや、涯といのりが、ですかね。
彼らの宣伝に、あまり共感は集まっていないようです。
ほとんどの国民の生活水準は安定しており、彼らに葬儀社は必要とされていません。
ツイッター（のようなサイト）の中には『つかＧＨＱ政府で何がマズいの？』というコメントがありました。
これはつまり、フォート（ポート？）、隔離区画の酷い状況や、それらの地区でのＧＨＱ（アンチボディーズ）による暴虐について、一般人は何も知らないということでしょう。
もし知っているならば、それを気の毒に思っていなかったとしても、上のような台詞は出てこないでしょうから。
出るとすれば「隔離区画の奴らか。俺たちは満足してるんだから余計なことをすんなよ」というような言葉でしょう。
また、先生や生徒の反応からしても、彼ら一般区画の人間は、ＧＨＱ統制下でほとんど不都合を感じていないことが感じられます。
アンチボディーズを見るに、かなり強権的な組織にも関わらず、隔離区画以外での統治は相当まともであるようです。
このチグハグな体制はどういうことでしょうか。
今回でも葬儀社の目的は明瞭でなかったですね。
ＧＨＱと戦うことは分かりましたが、その先については全く触れられません。
日本の独立、フォート住民の生活改善などの目的があるならばそれを言えばいいわけで、はっきり言わないということは、そういったこと以外の隠れた目的がありそうです。
涯は電話で「ＯＡＵは乗り気だ。ただし条件を出してきた」というようなことを言っていました。
ＯＡＵで調べたところ「アフリカ統一機構」のことらしいですが、さすがにアフリカ統一機構が日本のレジスタンスと組む、という設定は無いと思います。地理的に。
なので、オリジナルの組織じゃないかな。
それ以前にアフリカ統一機構はもう無くなって、アフリカ連合に発展しているそうですし。
涯はスーツを着ていましたが、ＯＡＵとの会談に向かうところだったんでしょうか。
それにしても、堂々としすぎだと思いますが。
別の人間を遣るか、そうでないなら顔を公開しなければ良かったのに。
よっぽど発見されない自信があるんでしょうね。
【ＧＨＱ】
ヤン少将ってＧＨＱ司令官だったのか。１話で言っていたのでしょうが、忘れてました。
ダリル・ヤン少尉はＧＨＱ司令官の息子と。
このＧＨＱという組織、アメリカの機関ではなく「超国家組織」らしいです。
でも今のところアメリカの臭いしかしないので、現実のＧＨＱと同様に「実質的にはアメリカの機関」という感じなのかな。
というか、アメリカ色が強いと思わせたくないなら、わざわざＧＨＱなんて名称にしないでしょうから、きっとスタッフの意図としてはそうなんでしょうね。
「ヤン」という名前はチャイナっぽいかな。
ただ、ヤン少将も少尉も白人っぽいですし、「ダリル」という名前はアメリカ人のものだと思うので、チャイニーズアメリカンでしょうか。
さて、ＧＨＱはいったん置いておいて、アンチボディーズの責任者っぽいオッサンが、クレジットを見ると日本人らしいことに驚きました。
ヤン少将が呼ぶ名前がよく聞こえなかったうえに、クレジットもよく見えなかったのですが、どうも「茎道（キイドウ）」という感じだったように思いました。
さらに、ボイドゲノムを開発したセフィアゼロミクスの主任研究員たるDr.桜満ハルカも日本人で、しかも集の母親。
ついでに、葬儀社について任されたセガイ少佐は、どうやらハーフのようです（嘘界＝ヴォルツ・減みたいな字に見えましたが自信ないです）。
ＧＨＱ、およびアンチボディーズは完全に外人（アメリカ）に支配されているものとばかり思いこんでいましたが、組織の中枢に日本人がいるとは。
しかも、アントボディーズはＧＨＱにすら機密を隠しておける独立性の高い組織ですから、ここのトップ（おそらく）が日本人である意味は非常に大きいと思われます。
隔離区画以外の日本人がまともな生活を享受できるのも、統治に日本人が関わっているからなのでしょうが、うーん、しかしＧＨＱって一体どういう組織なのかますます分からなくなってきたなあ。
アンチボディーズのトップが日本人となると、これは話も変わってきますね。
最も不可解なのは、なぜ彼らは隔離区画を復興もせずに、しかもあんな横暴を働くのか、です。
他の区画の人々も似たような境遇なら分かりますが、そうではなく、高い水準の生活を享受しています。
そして、彼らは同じ日本民族であるので、民族対立が原因でもない。
ならば、隔離区画の人間がアポカリウスウイルスの感染者だからかと考えましたが、アンチボディーズが一切防護措置をとっていないことからして、それもない。
経済的には余裕があり、民族差別があるわけでもなく、ウイルスの危険があるわけでもない。
ＧＨＱが隔離区画を隔離区画のままにして、復興もせず、しかもそこだけ異常な暴虐を働く理由が全く見えてきません。
隔離区画以外ではそれなりの善政をしいているようなのに、なぜフォート（ポート？）では異常とも言える振る舞いをするのか。そしてなぜいつまでも放置しておくのか。
そこには何か必ず理由があるはずです。というか、無かったらご都合主義の誹りを免れないでしょう。
しかし、茎道（？）と、集の母親は相当な売国奴だな。
これも何かそれなりに納得がいく理由があるんだろうか。
【長い】
長っ！
こんな長い記事書いたのはおそらく初めてです。
疲れた。
