ネオ天草のジャンプ感想日記

ジャンプ感想を主に書いています。

週刊ヤングジャンプ44号 感想

 初見では「今週もいまいちテンションが……」と書こうと思っていたのだが、嘘喰いに隠された伏線の数々を教えられて俄然盛り上がってきた。

週刊ヤングジャンプ43号 感想

※以下、ネタバレ注意

嘘喰い
第484話 四つ巴

 男爵ディーノにて『マルコが何に気付いたのかさっぱり分からないんですが、これはまだ分からなくても良い部分なのかな』という短い感想を書いたのだが、これに対して、『多分夜行さんが自分のハンカチを失くしておらず、リタイアしたフリをしているだけなのに気づいた(前回言っていた「ふさわしい者」も自分の事)のだと思います』というご指摘をヤカルさんより頂いた。

 感心した私はさっそく過去のヤングジャンプを読み漁ってみたのだが、ヤカルさんご指摘の視点で見ると、出るわ出るわ。
 初見では全く気づきもしなかった伏線がいくつも散りばめられていることが分かってきた。

 まず、この「お屋形様付き立会人」決めの内容を確認しておきたい。
 この戦いの大きなルールは、「一、己のハンカチを持つ」「二、他の立会人よりハンカチを多く集めている」「三、ハンカチを持たない者はその場で脱落」の三つである。
DSC_0431
DSC_0432

 これを頭に入れたうえで、これまでの夜行さんの言動を中心に伏線を見ていこう。
 
 35号で貘さんと夜行さんが屋形越えのゲーム内容について話しているときに、「パサ」と夜行さんの前に貘さんが何かを落とした描写があり、その直後に床に落ちたハンカチが映された。
DSC_0436
DSC_0437
DSC_0438
 
 さらに、42号でマルコが「門倉はあと1枚入手すれば、自分のハンカチも含めて5枚となり過半数」をとるという説明をされたときに、「5枚? 何で……?」と自問している。DSC_0433
 
 これらの描写からすると、どうやら夜行さんは最初から2枚(以上)ハンカチを持っているものと考えられる。
 マルコは夜行さんが最初から複数のハンカチを持っていることを知っていたからこそ、「5枚で過半数」という情報に混乱したのだろう。

 門倉さんは夜行さんから「零號 夜行」のハンカチを奪っている。
DSC_0440

 この「零號ハンカチ」が偽物だという可能性もあるが、この戦いの勝利条件の一つが「己のハンカチを持つ」であることを考えると、貘さんが夜行さんに渡したのは「弐號時代の夜行さんのハンカチ」という展開の方があり得そうな気がする。

 つまり、夜行さんは現在の零號時代のハンカチと、かつての弐號時代のハンカチという「己のハンカチ」を2枚持っていたのではないか。

 今週のマルコの回想で出てきたシーン。
DSC_0441
DSC_0442
DSC_0443

 これは、「弐號 門倉」と書かれたハンカチを夜行さんが空中で取ろうとして、手の痛みから取り損ねた「ように見える」場面だ。
DSC_0434
DSC_0435

 実際にはこのとき、夜行さんは門倉のハンカチを懐に収め、偽のハンカチと摩り替えたのではないか?
 門倉さんは顎を蹴られ、視線を夜行さんの手元からは逸らされていたから、夜行さんの速さがあれば十分可能であろう。

 夜行さんが「取り損なった」ときから「門倉のハンカチ」に何と刺繍されているかは見えなくなり、そのまま彼の胸ポケットにしまわれているから、現在門倉が持っているそのハンカチが「弐號 門倉」のハンカチかどうかは分からない。

 門倉さんが現在持っているのはあらかじめ用意された偽のハンカチで、本物の門倉さんのハンカチは夜行さんが持っているのだと考えられる。

 40号で能輪立会人から「勝つのは門倉か?」と問われた夜行さんは、「まさか、あり得ません。とはいえある程度進んでもらわねば困ります。私のハンカチを持っているのですから」と返していた。DSC_0430

 これは、「既に門倉は『己のハンカチ』を持っていないので、勝つことはあり得ない」という意味であり、もし夜行さんが嘘を吐いていないとすると、門倉に奪われた「零號 夜行」のハンカチは本物ということになる。


 まとめると、夜行さんは最初から「零號ハンカチ」「弐號時代のハンカチ」「偽物のハンカチ」の3枚を持っており、門倉さんのハンカチを「偽のハンカチ」とすり替えたうえで、「零號ハンカチ」をわざと渡した、ということになる。

 この仮説が正しければ、夜行さんは現在「自分のハンカチ(弐號時代のハンカチ)」+門倉さんのハンカチの計2枚を持っていることになるから、「己のハンカチを持たない」門倉さん以外の弥鱈立会人と、課長こと真鍋立会人が一枚以下しか持たないまま制限時間の30分が経てば、自動的に夜行さんの勝利となる。
DSC_0429

 「號奪戦」というシステムが存在する以上、屋形越えに立ち会う者を決める勝負が始まり、その勝負に「ハンカチ」が使われることを想定するのは獏さんならば容易だったはずだ。


 もっとも、「己のハンカチ」を一度失ったとしても、他の誰かのハンカチさえ持っていれば失格にはならないから、夜行さんが用意していたのは「偽のハンカチ」だけで、「弐號時代のハンカチ」は所持していないことも考えられる(いくら獏さんと言えどもプロトポロスに来る前からここまで読んで、夜行さんの「弐號」ハンカチを用意していたというのは、正直自分でも無理があると思うし)。

 ただ、その場合、当然ながら門倉さんから零號ハンカチを奪い返すことが必須となるが。


 いずれにせよ、他の立会人を争わせて漁夫の利を狙うという戦略なので、卑怯な印象もあるだろうが、夜行さん自身が言っていたように彼は手負いであり、勝ち残るにはこういった絡め手を使うしかなかったのだろう。
DSC_0439

 どんな手を使ってでも、「屋形越えに立ち会いたい、立ち会ってほしい」という夜行さんと貘さんの執念が生んだ策だと言えそうだ。
 
かぐや様は告らせたい
 最近、かぐや様より藤原書記のが可愛く見えてくるというラブコメとしてはちょっとアレなパターン。

【群青戦記】
 信長の底知れないキャラと緊張感で久々に大満足な回だった。
 代わりに味方だったころは割と頼もしかった前田さんがリアクション要因に。

 この漫画のネックは展開の遅さなので、今度こそこの盛り上がりが維持されてるうちにテンポよく進めてほしいなあ。

 とはいえ、しばらくは凪ちゃんとのイチャイチャを描いてくれてもええんやで。
【うらたろう】
 あ、秀衡さん超小物だった。
 しかしまあ、また理事長に似たワンパターンな悪役だと懸念していたから、悪役としてはこちらの方が好印象。
 秀衡のゲスっぷりと狼狽があったからこそ、建春門院を笑顔にする場面は熱くなれたしね。

 平家のバックにいるのが化け物ということで、こいつらが主要な敵になっていくんだろうか。
 ただ、犬神家を弾圧してたという情報からしても、源氏も善玉というわけではなさそうで、どう絡んで来るのか読めないなあ。

 もっとも、義経は「大天狗様へ報告」と言ってたから、平家への対抗勢力は源氏ではなく、大天狗こと後白河法皇率いる朝廷で、源氏は既に滅びているのかもしれないが。

ゴールデンカムイ
 「トカ」を連呼されて困り顔のインカマッが初めて可愛く見えた。 

 第七師団が良い人達過ぎて可哀想な目には遭ってほしくないのだけれど、諦めさせるという方針は曲げていないようだから、そんなに酷い事態にはならないかな。

源君物語
 2週間丸々クンニするだけの話て。

【キングダム】
 で、その統一の結果どうなったかを考えると全然説得力がなくてですね。
 結末が分かってるからこういう論戦やられても冷めた感想しか浮かばないんだよなあ。

【東京喰種 : re】
 特等率いる部隊を瞬殺した滝澤を圧倒する六月……。
 無印の頃からその節はあったが、この漫画のパワーバランスはワケが解らないです。

 しかし、すっかり人間勢力の存在感が薄くなっちゃったなあ。活躍してるのはせいぜいジューゾーくらいか。
 アキラもなんか亜門さん等のグール化に対する心情描写が全然ないから突然トチ狂ったようにしか見えないし。