ネオ天草のジャンプ感想日記

ジャンプ感想を主に書いています。

週刊少年ジャンプ43号 感想

 ヴィンスモークを越えるクズそうそういない説。

週刊少年ジャンプ42号 感想はこちら

※以下、ネタバレ注意
ONE PIECE
第840話 鉄仮面

>サンジの過去

 先週の時点ではサンジも誰かのクローンではないかという考察もなされていたが、どうやらその線は無さそうだ。
 そもそも、ジャッジの言動を見るに、「王族」であることに強い信念があるようだから、王子として育てる「息子たち」を使い捨ての兵士のように量産するというのも考えにくい。

 ヴィンスモーク兄弟達はデザイナーベイビーであり、ガンダムで例えれば「強化人間」というよりはコーディネイターに近い存在のようではあるが、母胎から生まれたのか、それともいわゆる試験官ベイビーなのかは気になるところだ。
 今週初めて触れられた「母」がどういった存在なのかが重要になってくる。

>誰がサンジを救ったか
 サンジが料理に興味を抱いたきっかけは母親のようだが(以前、虐めの原因として描かれた「ネズミの餌」が本物のネズミのことだとは思わなかった)、既にその母は亡くなっている様子。
 文脈を見る限り、母親は「王族の奉仕」に寛容だったと思われるが、なぜジャッジはそんな女性を王妃として娶ったのだろう。
 あるいは、妻の死が原因でジャッジは人が変わってしまっただけで、元はもっと違った人格の持ち主だったのかもしれない。

 それはさておき、母親が既に亡くなっているとなると、ますますサンジをジェルマ王国からイーストブルーへと逃がした人物のことが気にかかる。
 家族の中でレイジュだけはサンジに好意的ではあるものの、まだ子供の彼女がサンジを助けたとは考えにくい。

 やはり、まだ登場していないジェルマ王国の誰かだと見るべきだろうか。

 その人物はサンジに「女は蹴ったらいかんもんだと叩き込」んだと思われるから、地下牢へと入れられたサンジの世話係だとか、そういった人物かもしれない。
サンジ

 量産型兵士の一人にも関わらず、ジェルマとは違った価値観を持って地下牢のサンジにそれを教え、最期はプログラムに逆らってサンジを救い出した人物がいるのだとすれば、個人的に物凄く琴線に触れる展開である。


 そういえば、ジャッジはなぜサンジに鉄仮面を付けたんだろう。
 殺すつもりまではなさそうだけど、料理に傾倒するサンジへの懲罰として、自分が許したとき以外には決して何も口にすることができぬようにするのが目的か?

>レイジュ
 父や弟達の非道を見ても常に笑みを絶やさぬことから、一部読者からサイコパス呼ばわりすらされていた彼女だが、少なくとも幼い頃はサンジのことを思い遣る心は持っていたようだ。
 
 「葬式」の際の表情を見る限り、保身のために弟達に合わせて笑っているうちに、自分の本当の感情までも解らなくなってしまったのだろう。
 ある意味、コアラに近い境遇だが、今もその顔に笑みを貼り付けているレイジュが、コアラのように喜怒哀楽の感情豊かな表情を見せる日は来るのだろうか。

 サンジを庇えばレイジュまでイジメられるということは、やはり最高傑作の一人に数えられてはいても、弟達よりも性能は低いということなのかな。
 ただ、現代ではヨンジのことを海へ蹴り落とすわ、「人情の欠片もない人でなし」と罵倒するわとやりたい放題で、とてもイジメられそうには思えないが、これはどちらかと言うと兄弟の中でヨンジの立場が低いからかもしれない。

 回想を見てもヨンジはイジメの首謀者というよりは、イチジとニジに追従する「スネオ」ポジといった印象で、レイジュが恐れているのもイチジとニジだけではないか。
 サンジの仲間という義理があるとはいえ、ルフィのことはヨンジを蹴り飛ばしてまで(しかも、蹴り飛ばす必要は特に無かった)助けたのに、コゼットの件には関わらなかったのもその辺りに理由がありそうだ。

>「研究者」ジャッジ
 サンジに完敗したヨンジを見捨てず、それどころか未だにサンジの方を見下していたことから、週刊少年ジャンプ34号 感想『単純な強さで差別しているわけではないのだろう』と書いたように、これまで私はジャッジはあくまでも「ヴィンスモーク一族が代々受け継いでいる何か」を重視していると考えていたのだが、実際にはジャッジは「戦闘力」をこそ最重要視していたことが判明した。

 しかしながら、全くの見当違いというわけでも無かったようだ。
 「本来であれば」、ジャッジは戦闘力の強化を求めて子供たちに改造を施したはずなのだから、「失敗作」であるサンジに敗れた時点でヨンジに価値を見出すことはなくなるはずだ。

 本当にジェルマ66の強化を最優先に考えているのなら、ヨンジがサンジに負けた時点で、サンジを懐柔して再び手駒に引き入れ、代わりにビッグマムに差し出すのはヨンジにすべきだったし、自身の研究内容を根本的に見直すのが当然の姿勢だ。

 にも関わらず、未だに2人への評価を全く変えようとしないということは、もはやジャッジは当初の目的である「戦闘力」ではなく、「自身の研究成果の正当性」に拘泥していることになる。

 まさに本末転倒。手段が目的化している典型である。

 ジャッジはもはや「ジェルマ復活の計画」のために「最高傑作」を生みだそうとしてはおらず、自身が生み出した「最高傑作」が、ただの人間である「失敗作」に敗北する程度の出来であることを認められない、「終わった研究者」と化した。

 「ビッグマムの軍事力を背景にしたノースブルーの再征服」という目的には十分なのかもしれないが、ドフラミンゴの部下であるヴェルゴ相手に蹴りで力負けしたサンジ相手に「遺伝子操作で造った最高傑作」があまりにも寂しい戦果。
 これから四皇に挑もうという海賊団を前にしては、もはや役者が違い過ぎると言ったところだろう。

>パシフィスタ
 おお、本当にクローン人間だったとは……。

 となると、パシフィスタもまたバーソロミュー・くまのクローンから造られたと見るべきか。
 フランキーと同じく、改造ならまだしも、さすがにこの作品で一から人間を作る(現代の)技術はないだろうと考えていたから、てっきり悪魔の実によるコピーか何かだと思い込んでいたなあ。
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 今週の反応からしてもこの時点でサンジがクローンに勘付いていたとは思えないが、人間の改造という言葉に反応して、パシフィスタに自ずと引き寄せられたのかもしれない。

 少なくともシャボンディ諸島編で既にジェルマ66とサンジの過去に関する設定は考えてあったと見て良さそうだ。

 ヴィンスモーク・ジャッジ王もベガパンクも、同じくクローン人間を使って兵士を量産していることになるわけだが、ジェルマ66が単に強い兵士のクローンを作っているだけなのに対し、ベガパンクは更にそのクローンをサイボーグへ改造しているから、やはりここでもベガパンクの方が一歩先んじているということなのだろう。

 これまで語られてきたベガパンクの人物像は、故郷の未来国バルジモアでは自身の構想を実現できないことで「皆を楽にしてやれない」と泣き、パンクハザードでは大量殺戮兵器を開発するシーザーを止めようとするなど、比較的人格者として描写されてきたが、この行いを見る限り、本当にそう信じていいのかどうかは甚だ疑問である。

 クローン人間を作り、それを改造して人間兵器とするなど、ジャッジと同じ狂気の科学者としか思えない。

>血統因子
 ベガパンクが発見し、シーザーによる人造悪魔の実SMILE(の元となるSAD)製造の要となった発見。
 「生命の設計図」という解説からすると、現実世界で言うDNAのようなものであるらしい。
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 血統因子と呼ばれる「設計図」を書き換え、人間を動物の姿に変えるのがSMILEの効能なのだろう。

 シーザーも無法な研究チームの一員だったのかとも思ったが、カポネからサンジの出自について聞かされたときにシーザーは「ヴィンスモーク」の名に無反応だったから、そういうわけではなさそうだ(ただし、世界政府加盟国の王族という立場を隠すために、ジャッジが名を偽っていた可能性はある)。

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 週刊少年ジャンプ23号 感想で書いたように、「海の戦士ソラ」にはベガパンクが夢見た合体ロボが登場するということで、著者は彼なんじゃないかと予想していたのだが、ジャッジと同じ研究チームにいたとなると元同僚の実家を創作物で悪し様に描いていたことになるから、ベガパンクが蛭子能収みたいな人になっちゃうなあ……。
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>ヴィンスモーク・ニジ
 一応、「弟が気に入った女なら顔面は潰さないでおいてやろう」と配慮する程度にはニジもサンジのことを身内としては考えているのか。
 好感度の出発点が低すぎて、一瞬「なんだ良いところもあるんじゃないか」と思ってしまった。

僕のヒーローアカデミア
第108話 RUSH!
 葉隠ちゃんの個性はつまり、光の屈折を操る能力なのか。
 だとすれば自身の身体だけでなく、持ち物なども任意に透明に見せることができるはずだから、彼女は嘘を吐いて「常時身体透明化の個性」だと演じていることになる。
 
 完全に内通者である。これはもう決まりだろう。
葉隠透、ヴィラン連合の内通者説

 こうなると合宿の件も話が変わって来る。
 これまで私は葉隠透が内通者の容疑者リストから外れるために、あえてガスを吸ったのだと考えていたが、常時展開型でないとすると、さすがに失神しているときまで透明化を維持できたとは考えにくい。

 教師陣には個性が常時発動型ではないと伝えてあるか、もしくは、実際には失神しているフリをしていただけかのどちらかということになる。
 持ち物を透明にできるなら、あらかじめ透明にしたガスマスクを所持し、ガスが晴れてから自身が「救助」されるまでに処分するなど簡単なことだったろう。

 ただし、 『Ultra Archive』での相澤先生のコメントを見る限り、教師陣も葉隠の個性は常時透明化だと解釈しているようだから、前者の可能性は極めて低い。

 今回の目くらまし技は、「身体だけ常に透明に見えるような光の屈折率となる個性だが、それを応用して一時的に身体から強烈な光を発することもできるようになった」とでも報告したのだろう。

 え? 実際にそういう個性という可能性もあるんじゃないかだって?
 いや、それは無い(断言)。


 他の方々の感想を見ていると、「自衛や正当防衛のための個性使用の仮免許試験なのに、個人の能力以外で決まる試験内容で良いのか?」という意見がちらほらと見受けらたが、この試験はあくまでも「ヒーローの仮免許試験」だということを忘れているのではないか、と感じた。

 ヒーローとなれば(一部を除き)多くの場合、仲間との連携が必須となってくる。
 ゆえに、チームワークを駆使することで有利となる今回の試験は、ヒーローの仮免を審査するものとしては相応しいだろう。

 夜嵐イナサのように単独でのクリアも排してはおらず、柔軟かつヒーローとしての一つの資質を問える内容だったと言えるのではないか。

ブラッククローバー
第79話 仮面の奥
 キャラデザのいまいちさを自らネタにしてくる田畠先生のセンスは大好き。

 私は白夜の魔眼の主要メンバーは数百年前の人間だと予想しているから、ウィリアムがリヒトに似ているのは、彼がリヒトの子孫だからだと考えている(まあ、子孫だからといって骨格や声色まで似るのはおかしいが)。

 そういえば、ヤミ団長は「気」で嘘が見抜けるんだな。
 しかし、ライアの変身は見抜けていないようだったけど、これはライアが「気」まで自在に変えられるのか、それとも相手の嘘を疑って集中しないと読み取れないものなのか。

 今週のブラクロの中に「カズレーザー」がいると言われて、最初は何のことか分からなかったのだが、リアル八輝将の一人か。確かにそっくりである。
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 ライアといい、芸能人モデルのキャラを作る田畠先生の能力は冨樫先生以上だなあ。

ワールドトリガー
第159話 ヒュース③

 アフトクラトルの精鋭の一人であろうヒュースと、ボーダーの精鋭の力量差がどの程度なのかはこちらも気になる。
 一刀での試合は分かり易いし、先のランク戦ではいまいち印象の薄かった生駒には是非とも頑張ってもらいたいものだ。

 あと、辻新之助は正直もう少し強いと思っていた。
 元A級とはいえこんなもんなのか。

鬼滅の刃
第31話 自分ではない誰かを前へ

 おお、女先輩をこんなにあっさりと……。いや、いかにも死にそうな地味なキャラデザではあったけど。

 相変わらずの独特の空気で、慈悲の剣撃にも実にじんわりと来たのではあるが、正直なところ、ちょっとこの「鬼とはなったものの人間としての……」という展開に飽きてきたという感もあったりなかったり。

【レッドスプライト】
第5話 おまえがいるから

 艦橋が女軍人ばかりなのはブリストルの趣味なんだろうか。
 こちらのフォールと若干被っているし、ここは普通にオッサン艦長にしていた方が雰囲気は出ていたと思う。

【掲載順】
 約束のネバーランドの高順位に驚愕。
 既に8話で、アンケと無関係な新連載の補正順位からは外れているので、通常であればこの順位は序盤のアンケ結果が反映されたもののはずだが、にわかには信じがたいなあ。

 これは、背すじをピン!とのような「テンポ悪いから絶対ダメだと思ったのに人気があった」パターンか、学糾法廷のような「掲載順やCカラーで意外にも人気があるんだと思ってたら単なるプッシュでやっぱり人気はなかった」パターンか、どっちなんだろう(どちらももちろん私の個人的感想)。

 いやあ、ジャンプでこの内容は無理だと思うんだがなあ。
 ただ、すじピンのときも同じことを思って大きく外したからあんまり自信はない。


 今週の掲載順を見る限り、とりあえず今期はこち亀とたくバツ、あとはトリコが終了かどうかってとこだろうか。
 すじピンや左門くんは今期は生き残ったと見て良さそうかな。

 来期の打ち切りは、すじピン・左門くん・鬼滅の刃と新連載達で激戦になりそうだ。

 火ノ丸相撲は先週までずっと高かったんで、今週の掲載順はあんまり関係ないと思う。
 たぶん入稿遅れとかじゃないかな。

 逆にこれで火ノ丸相撲が突然終わったとしたら、もはや掲載順では何も読めなくなるから予想のしようもない。
 ま、しかし普通に考えれば来週はまた元のような位置に戻っているだろう。