ネオ天草のジャンプ感想日記

ジャンプ感想を主に書いています。

HUNTER×HUNTER 第389話『呪詛』感想【週刊少年ジャンプ51号】

 うおおお! チョウライ王子! 久々のチョウライ王子の出番だ!
 1円だったはずのコベンバトの硬貨が10円になっただって!?
 う、うん……!
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週刊少年ジャンプ51号(2018年)感想はこちら
週刊少年ジャンプ50号(2018年)感想はこちら

※コメントを受けて少し追記。

※以下、ネタバレ注意

>「予想以上に光々しいお姿です」
 いやホントにね。
 守護霊獣の形状には宿主の王子の人格が反映されるようだから、他の王子(特に上位王子)に比べてグロテスクさの無い霊獣を持つチョウライ王子こそがやはり王の器なんだよなあ。
【HUNTER×HUNTER】フウゲツ王子、ハイパーシスコンクレイジーサイコレズ説

 【ビクト】
 今回ハルケンブルグ王子の餌食となったビクトさんは、モモゼ王子の監視についていた男である。
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 逝ったか。南無。
 いや、別に何の感慨も湧かないけど。

 ハルケンブルグの部下の意識が入っているであろう現在のビクトは所在不明とのことだが、1層に捜索から逃れて隠れる場所なんてあるんだろうか?
 かと言って誰にも知られずに下層に降りられるというのも考えにくいしなあ。
 一体どこに隠れさせているんだろう。 

【操作系】
  「シカクが操作系能力者だからといって何で操作されてないことになるんだ?」と思ったら、まず自分自身を操作する能力だからと。
 予想できるかいそんなもん。

  『遊戯王カルドセプト)』の能力は相手の能力を奪うものなのに、それがなぜ操作系なのかも、また、自分自身を操作する事がどう関係してくるのかも全く想像がつかない。
 この辺りはもうシカクが死んだのを良いことに、冨樫先生本人もあんまちゃんと考えてなさそうな気がする。

「ハルケンブルグの能力を直撃させるなら、攻撃を迎え撃つ系の能力がいいな」→遊戯王
バルサミルコ曹長が能力の推理する為に何かヒントが必要やな」→シカクは操作系で自分を操作してた


 くらいのノリなのかも。

 先週も書いたようにハルケンブルグ王子の能力は操作系だと考えられるが、人格の上書きは「早い者勝ち」ルールに縛られないのかな。
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スクリーンショット (159)
 んー……。
 ただ、バルサミルコ曹長「ハルケンブルグ王子の守護霊獣に記憶補正の能力があること」、「それがハルケンブルグ自身の資質の影響を受けた可能性があること」は知っているはずだよね。
 にも関わらず、「シカクは記憶補正によって自殺をした」という推測に言及すらしないということは、記憶補正もまた既に操作状態にある相手には無効ということなのか……?

 だとしたら、そもそも↑のシカクの推論が外れているか、もしくはハルケンブルグの資質は操作系ながらも、「人格の上書き」は記憶補正とは全くの別物であり、操作系に含まれないのかもしれないなあ……。

【試行錯誤】
 ハルケンブルグ王子がシカクを自害させたのは中に入ったスミドリの魂の行方を調べる為で、ルズールス王子の部屋の前での自死はおそらく単なる目くらましだろうから、今週は大半の内容をベンジャミン陣営の見当違いの探りに割かれたことになる。

 カンジドルの見立て通り、ハルケンブルグ王子の目的がルズールス王子の室内にあった可能性、即ちあの弓を1007号室に向けて撃った線も考えたけど、どこに誰がいるか確信を持てない以上、これはまずあり得ないだろう。

 最近の冨樫先生はこういう「登場人物たちが自身の持つ情報を頼りに正解には直接繋がらない推理を深めていく」展開を描くことにハマっている印象。
 確かにこれも面白いのは面白いんだけど、僅か10週しか載らないことを考えるとこのトロさはなあ……。

 とはいえ、現状の掲載ペースじゃないとこれ程複雑な話は描けないであろうというジレンマ。

【拡張した?】
 タイソン王子の「教典」を渡されて守護霊獣の分身が付くと「念を徴収される代わりに幸福が得られる」という説明はあったけど、教典を読んでしまうとサレサレ王子の守護霊獣みたいに洗脳、というか操作の効果もあるのね。
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 ジュリアーノがタイソン教典唯一の禁忌を破って罰を受けるルートが明白……。
 多分、女性と仲良くしたら厳罰とかなんだろうな。

 【カミーラ王子の私設兵】
 ああ、ムッセ殺害の際、チラっと描かれたカミーラ王子の私設兵は女性ばかりに見えるなとは思ってたけど、そういう事情があったわけか。

 死後伴侶は「異性」という事だったので、私設兵の性別を見ればツベッパ王子やタイソン王子の性別も確定できるかと思ったけど、(おそらく意図的に)見分けがつかないように描かれているので、男なのか女なのか解らん。
 ……と、考えていたのだが、ワブル王子が女児だということをすっかり忘れていた。
 やぎみよ子さんの仰るように、ワブル担当のサラヘル兵隊長は明らかな女口調である。

 となると、元の死後伴侶の儀式を正確になぞらえている訳ではなく、カミーラの私設兵は全員女で構成されているのかもしれない(ベレレインテみたいにオカマキャラという可能性もあるけど)。


※追記
 コメント欄にて「第368話『凶行』で、ワブルのことを『息子』と表記している箇所がある」という指摘を受けた。
 当時の自分の感想を読み返してみたのだが、そのことに触れておらず、全く気が付いていなかったようだ(ついでに暇つぶしブログさんの感想も読み返してみたが、あの方ですらスルーしていた)。

 クラピカとの面接の際には「娘」と表記されていたのでワブル王子は女児だと思い込んでいたのだけれど、どちらがミスか分からない以上、サラヘル兵隊長が女性だとしても、『つじつま合わせに生まれた僕等(ヨモツヘグイ)』は本来の死後伴侶と同様に「異性であることが条件」である可能性は残される訳か。


 カミーラ王子は不可持民から念能力を教わったのかとも考えたが、彼らが『つじつま合わせに生まれた僕等(ヨモツヘグイ)』を作り出したのはカミーラ王子の私設兵となってからの話なので、そうとも限らないか。
 逆にカミーラ側(ドゥアズルの警護兵)から不可持民に念が齎されたと考えた方が自然かな。

>階級組織は構成員の命も兵器で弾に使うからな
 現実には階級組織ではなく、「同志達は皆平等」の精神を掲げるハルケンブルグ陣営こそが一番兵隊の命を弾代わりにしているのが皮肉が効いていて面白い。
 一面的には真実かもしれないが、所詮はバショウ個人の階級組織への偏見でしか無いということが示唆されているよね。

 この偏見によって思考の幅が狭められ、バショウは「ハルケンブルグ陣営こそが兵士を弾にしている」という想定に至ることができなくなってしまっている。
 元々ハルケンブルグ王子の情報をさほど持ってない上に、自ら思考に枷をつけたことで更に不利な位置になってしまったな。

 【真面目な奴は極端から極端に走りやがる】
 実際のところハルケンブルグ王子はどこまで腹を括っているんだろう。
 個人的には、極端に走って弟妹も殺す気満々になってるんじゃないかと睨んでいるのだが。

 それに対して、見えもしない念獣が吐き出した得体の知れないコインを褒美として部下に渡すチョウライ王子は、極端に走る真面目な奴から遠いところにいるな。
 「自分の守護霊獣がその辺に吐き出したもんなんやから味方に不利に働くことはないやろ」の精神なんだろうけど。

 せっかく念能力を備えた貴重な私設兵を実験台にするとは考えにくいから(その辺の侍女でも生贄にすればいい)、王子自身は善意100%でやってるんだろうしなあ。

【その他】
・インターホン越しに対応することを「窓口」って言うんだろうか。

・ああ、そういやカキン王国ってホイコーロ国王の改革で一応建前上は議会制民主主義国家になってるんだっけ。完全に忘れてたわその設定。
・実権はホイコーロが握ったままみたいだから、議会の役割はせいぜいイランやロシア程度、あるいはそれ未満なんだろうけど。

・冨樫先生、これだけの尺を割いて「いかに脇役があらゆる事態を想定しているか」を描く人なのに、なぜサイールドさんはあんなことになってしまったのか。