取引相手にとっては。
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839話にて、ブロックコリー島の軍からジェルマ66へ依頼があった原因は、ドフラミンゴ失脚によって武器が入手できなくなり、反政府武装勢力を弾圧しきれなくなったからだと判明した。
ドフラミンゴは体制側だけに武器を売っており、それゆえ内戦が続きながらも、一方が優勢であったことで(ジェルマの介入後ほどには)多くの犠牲は出ていなかったようだ。
私はこれを意外に感じた。
短期的な利益を追求するなら、ブロックコリー島の体制派・反体制派双方に武器を流し、内戦を泥沼化することで、次々に武器が売れる状況を作った方が得だからだ。
しかし、よくよく思い返してみると、ドレスローザのコロシアムにおいても、誰にも商品を渡すつもりが無かったにも関わらず、本物のメラメラの実を用意していたくらいだから、ドフラミンゴはああ見えてビジネスにおける「信用」を重視しているのかもしれない。
メラメラの実の偽物を用意することにしろ、ブロックコリー島の両軍に武器を流すことにしろ、万が一発覚した場合、それまでに築いてきた信用が一瞬で霧散してしまう。
ドフラミンゴが裏の世界であれだけ手広く商売できたのも、「ジョーカーなら取引で裏切ることはない」という信頼があればこそだったのだろう。
藤虎が巻き上げられていた街の賭場での住人達の反応からすると、基本的にドンキホーテ・ファミリーはああいった阿漕なことはしていなかったと考えられる。
賭場の下っ端たちも「バッファローさんがいねぇと儲かるぜ」と漏らしており、普段は幹部がイカサマに目を光らせていたのではないか。
そういう意味でドンキホーテ・ファミリーは、取引相手にとっては信用できる優良企業だったのかもしれない。
もっとも、天竜人(の意を受けたCP-0)からモリア暗殺の依頼を受けたときには、めちゃめちゃいい加減な仕事をしていたから、「外部に漏れる心配がない」場合には必ずしも真面目にやっていたわけではないようで、取引において不正を働かないという「信念」を持っていたわけではなさそうだが。