ネオ天草のジャンプ感想日記

ジャンプ感想を主に書いています。

【HUNTER×HUNTER】クロロがブラックボイスの頁に栞を挟んだ理由

 ジャンプ23号に掲載された第352話『厄介』の話。

週刊少年ジャンプ23号 感想はこちら
週刊少年ジャンプ24号 感想はこちら

※以下、ネタバレ注意

 クロロは観客席に逃げ込む際、↓のような手順を踏んでいる。
DSC_0276


 これに対して、「最初に転校生(コンバートハンズ)のページに栞を挟んでおき、携帯する他人の運命(ブラックボイス)はページを開いて使った方が良かったのではないか?」という疑問が見受けられた。

 たしかに、先にコンバートハンズの方に栞を挟んでさえいれば、ブラックボイス解除時に本を閉じるだけで済むから、栞を移動させる手間がかからない。

 まことに理に適った話で、この意見に納得しかけたのだけれど、冨樫先生は23号で一度ミスを犯しているから(週刊少年ジャンプ23号 感想参照)、そう頻繁にミスを連発はしないだろうと考え、この手順にも何か意味があるのではないかと、23号を見直してみた。

 すると、観客の間をジグザグに後退するコマで、クロロは本を消していることに気が付いた。
DSC_0274

 そして、次の瞬間には再び本を右手に持っている。
DSC_0275

 これはおそらく、上のコマではブラックボイスのページに栞を挟んで本を消し、下のコマの時点では既にコンバートハンズのページを開いているのだろう。

 そう考えれば、クロロが最初にコンバートハンズのページに栞を挟んでおかなかった理由も見えてくる。

 つまり、クロロはブラックボイスを使用するに際して、アンテナを刺すと同時にケータイで命令を送信するために、両手をフリーにしておきたかったのだ。
 観客席をジグザグに後退しながら、右手で適当な相手にアンテナを刺し、左手に持っていたケータイで命令を打ち込んだのだろう。

 ヒソカは後退するクロロをすぐに追いかけているから、彼の速さに操作した観客を対応させるために、なるべく早く命令を打ち込む必要があったわけだ。


 自分ではそこまで気づかなかったのだが、これはまさに「栞の本領はコンボではなく、両手を空けられること」というクロロの言葉を体現していたんだな。
 両手がフリーになることよりもコンボの便利さの方が目に付くと思っていたけれど、従来のように右手が塞がっている状態では、この状況だとヒソカの速度にブラックボイスによる操作が追い付かなかっただろうから、確かに本を持たなくても能力が使える強みは大きいかもしれない。