ネオ天草のジャンプ感想日記

ジャンプ感想を主に書いています。

呪術廻戦 第103話『渋谷事変21』~第115話『渋谷事変33』感想【ジャンプ20号~33・34合併号】

 そろそろアニメ放送も近いので追いつかんと。

第102話『渋谷事変20』の感想はこちら。

neoamakusa.hatenablog.com

【存在しない記憶】

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【ニセ夏油の目的】

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 虎杖に宿儺の指を喰わせる事について、ニセ夏油はあまり興味が無いような振る舞いをしていた。

 しかしながら、↑の記事で書いたように、ニセ夏油は虎杖に指を喰わせる為に、入念な準備と、多大な労力を払っている。

 「五条悟封印に失敗した時の代案」という言葉を鵜呑みにする訳にはいくまい。

 

 そもそも、漏瑚は宿儺を復活させて人類を一掃し、呪霊だけの世界を造ろうとしているわけだが、呪霊を見下しているニセ夏油が、そんな計画に本気で協力してるとは到底考え難い。

 だが、五条が不在のままこの状況を放置すれば、本当に宿儺の天下になってしまう。

 つまり、ニセ夏油は宿儺を制御できる手段を既に用意しており、虎杖に指を喰わせているのも、呪霊達とは全く別の目的の為だと見るべきだ。

 

 ニセ夏油を信じてせっせと指を虎杖のもとへ運んだ漏瑚は、まんまと掌の上で踊らされていると言えるだろう。

 

 むしろ、虎杖を殺そうとしてる真人こそが、ニセ夏油の企てに背いているとも言える。

 実際、ニセ夏油が宿儺復活に執着してないという態度を見せた時、真人は怪しむような視線を向けていた。

 

 いや、ゲームを持ち出した張本人である真人がこの期に及んでまだ虎杖を見つけ切れていないのも不自然な話だ。

 ひょっとしたら、彼は本気で虎杖を殺すつもりは無かった可能性もある。

 ニセ夏油の真意を確かめる為に、虎杖殺害を言い出して反応を伺おうとしたのかもしれない。

 

【夜蛾と硝子】

 呪術協会側の人員に大きな被害が出ることは、「五条悟がいなくなる」未来を知っていなければ予想は困難。

 無論、ニセ夏油の協力者である夜蛾学長はそれをあらかじめ「知っていた」わけであるが、わざわざ硝子を呼び寄せた事からすると、部下をなるべく死なせたくない思いはあるようだ。

 

 ニセ夏油にしても美々子・菜々子を見逃すという甘さを見せていたし、やはりというか夜蛾やニセ夏油が、虎杖を使って宿儺の力を手に入れようとしてるのも、彼らなりの大義があっての事のようで、単なる悪人というわけでもないのだろう。

 

 それこそ虎杖(=宿儺の力)だけで全ての呪霊退治を行えるようにし、もう呪術師に犠牲者が出なくても良い社会を作るのが目的なの(ただし、その目的を遂げる為なら平気で犠牲にする)。

 

 あと、私は硝子も夜蛾の一味という可能性もあると疑っていた(夏油の死体の横流しが楽になるので)のだけれど、今回の会話を見る限り、その線は無いと見て良さそう……?

 

 いや、まだ容疑が晴れたとは言えないか。

 呪霊側にニセ夏油の協力者が誰なのか伝えられていなければ、硝子がニセ夏油側だとしても普通に攻撃してくるわけだしね。

 所詮は利用してるだけの存在に過ぎない漏瑚達のことを『敵』と呼ぶのは、ニセ夏油の一味である事と矛盾はしない。

 

引き続き硝子のことは疑っていこう。

 

【一級術師ェ……】

 「これで禅院爺ちゃん達が勝てば、一級術師でもやり方次第で真人達を祓える事になるので、この作品のどうしようもないアンバランスさがちょっとは緩和されそう」などと淡い期待を抱いていたのだが、結局カマセで終わってしまった。

 

 あんまりこういう事は言いたくないのだけれど、伏黒父に関しては正直なところ感動よりも「何の為に生き返らせたんだこいつ……」という気持ちの方が強い。

 この程度の父子の邂逅をやるくらいだったら、一級術師の2人が何とかロギア系特級術師を倒す展開の方が見たかったわね。

 

 この様子だと特別一級術師である禅院直毘人ですら領域展開使えないようだしなあ。

 だとすると呪術師サイドで使えるのは五条と伏黒、そしてあるとしても九十九と乙骨の4人だけである可能性が高そうだ。

 

 もっとも、漏瑚なんかも含めてロギア系特級呪霊は五条悟誕生後に生まれた奴らだから、30年前までは一級術師レベルで余裕だったんだろうけれど。

 それにしても、まさか呪術師最強格っぽい禅院ジジイまで伏黒より弱い程度とは。

 宿儺を復活させるまでもなく、五条封印した時点で呪霊の勝ち確よね、こんなん。

 

 「最近は呪霊が強力になっているけど、呪術師も強い奴らが出てくる」という設定上、『頼れる先達』があんまいないのはこの漫画の辛いところ。

 

【術式と趣味】

 Twitterでの感想を眺めていると、「禪院直毘人はアニメ好きの趣味が高じて術式を身に着けた」と理解している人が見受けられた。

 しかし、これは話が逆さまだろう。

 楽巌寺学長はまだ自分の代から呪術師となった可能性もあるにしても、禪院爺ちゃんは先祖伝来の術式を使ってるはずだからだ。

 そもそも、術式は後天的に身に着けるものではなく、生まれた時から身体に刻み込まれているのである。

 

 要するに、楽巌寺学長の音楽趣味やら、禪院直毘人がアニメに詳しいことやらは、「元々彼らが持っていた趣味を反映して能力が芽生えた」というハンタの念能力なんかとは真逆で、「先祖から受け継いだ術式に関係がある分野を研究する内に趣味とするようになった」ということだろう。

 

 そう考えると、明らかな伝統文化や家柄への反発が見える作風なのに、ハンタの念のような「血筋とは無関係に芽生える」という能力ではなく、「血筋が前提となる」能力に設定してしまったせいで、キャラの生き方までも自由なようで縛られてしまってる辺りが、何とも『らしい』と言うしかない。

 

 本当に「家」への拘りが無い冨樫のような人間は、ハンタのように個人の性向が重要となる念能力を考え出し、「家」への反発が強い芥見先生はハンタフォロワーながらも、血筋の影響が圧倒的な能力設定に縛られてしまう。

 皮肉なことだ。

 

【游雲】

 伏黒が游雲を手にした経緯がよく解らない。

 わざわざ遊雲の保管場所(呪術高専?)まで取りに戻ってたってことか?

 でも、この状況でわざわざそんな事に時間を使うのは不自然だよなあ。

 かと言って、渋谷事変の前から伏黒が許可を待たずに持ち出したってのも変な話よね。

 

 考えられそうなのは、猪野を連れて一度帳の外に出た時についでに取りに行ったか、もしくは補助監督が運んできた、くらい?

 

【美々子・菜々子】

 ザマアアァァァwwww

 

 幻影旅団もそうだったけど、「このままお咎め無しで終わるのかな……」と思ってた悪が、その罪に相応しい報いを受けると嬉しくなりますね。

 これでようやくこの2人に殺された善良な呪術師達もうかばれる……。うっうっうっ……。

 

 宿儺に取り引きを試みるんじゃなくて、最初から二本とも指を差し出し、ただお願いすれば聞き届けてくれたかもかね。

 

【夏油派残党】

 「非術師皆殺しにして呪術師だけの世界を作る」とかいう明らかに子供じみた誇大妄想を抱いてるのに、大人を語るのか……碇ゲンドウみたいな女ですね。

 

 ってか、アンタらたぶん直毘人爺ちゃんよりは弱いでしょ?

 じゃあ自然系特級呪霊に勝てないから非術師と一緒に淘汰されると思うよ。

 

 夏油には幹部以外にも50人ほどの部下がいたらしいから、今週出て来た奴らはその生き残りかな。

 位置的に漏瑚の隕石で秘書子や眼帯男ごと全員死んだかもしれない。

 

【ミゲル】

 夏油に本気の忠誠を誓ってたのは意外だったけど、まあ、金目的だったとしたら、部族の祖先が一本数十年かけて編み続けてきた紐の束を売った方がよっぽど楽に大金が手に入っただろうしね。

 

 どこの馬の骨とも知れない日本人を王にする為に、先祖が一本数十年かけて編み続けてきた部族の宝とも言える紐の束をガンガン無駄遣いする男、部族に火炙りにされても文句は言えない。

 

【伏黒を斬ったのは、釘崎・新田らを阻み、伊地知を刺し、七海に圧倒された、京都交流会にも現れた呪詛師!!】

 こいつが生きてたのは頬のマークのことをTwitterで教えられてたから分かっていたことではあるのだが、分かっていてもゲッソリするな……。

 ただでさえ見せ場の少ない1級術師の貴重な活躍を台無しにしてまで引っ張るような魅力的な敵じゃないでしょ、こいつ。

 

 まあ、ここで七海さんが伏黒を助けて、再びこの偽シュートをボコボコにする展開なのかもしれないが。

 

【その他】

・>秘伝「落花の情」

・いや秘伝にしてねえで全呪術師に伝えろ。

 

・オロソ兄妹のダーツが本当に対象に当たるまで出現しないのに対して、海の特級呪霊さんのはあらかじめ出現してるけど、そっから瞬間移動して対象に噛みつく状態で再出現するというよく解らなさ。

 

・花御の心臓を狙った一撃を腕で防御してた時も思ったけど、真希さん呪力の無い筋肉防御だけなのに硬すぎるな。

・というか、逆に呪力を纏う事による防御力や特級呪霊の攻撃力が大した事なくて、筋肉で補える程度ってことなのかもしれないが。

・ウヴォーも絶の状態でリーダーの刀を防いでたしな。

 

・「呪霊相手に呪具を尖らせて刺しやすくします」って、なんか感覚的に納得し難い。

・霊体じゃないんか?

 

・数億円もする呪具をズタボロに壊した伏黒父だが、それでも先祖が一本数十年かけて編んだ紐の束を無駄に消費しまくったミゲルに比べれば遥かにマシ。

 

・伊知地もそうだけど、呪術廻戦、意外と人が簡単に死ぬようで死なないのよね。

・「滑らかに人が死ぬ漫画」評が、ここに来てぺこぱの「人を傷つけない笑い」みたく呪いとなって足を引っ張ってる。

 

・案の定、宿儺は自分のことを呪霊だとは全く考えていないようであるが、本当に漏瑚さんはコイツだけ荒野に立ってるような世界で良いんですかね……。

 

・やっぱ釘崎さんだけ同期に置いてかれてる感が。

・NARUTOのサクラみたく強化イベントがくる?

 

・直毘人ジイちゃん、責任感とか何も無さそうな人に見えるけど、一応当主として先祖伝来の術式を後世に残さねばという想いはあるのね。

・真希さんの当主になる宣言を「ならば試練を与えよう」と正面から受け入れたし、直毘人自身は甚爾をそんな疎んじたりはしてなさそうな印象はある。

 

・戦闘用呪骸の外見はもうほぼ真人の改造人間と変わらないセンスだよね。

・夜蛾の本性がよく現れている。

・普段の可愛らしいぬいぐるみの呪骸は取り繕った姿に過ぎないと。