ネオ天草のジャンプ感想日記

ジャンプ感想を主に書いています。

ヴィンスモーク・ソラは『海の戦士ソラ』本人ではない

 サンジ、ベガパンクの実の孫説。
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週刊少年ジャンプ7号(2017年)感想はこちら

※以下、ネタバレ注意

 852話にて、サンジの母たるジェルマ66の王妃の名が「ソラ」であることが明かされた。

 このことから、「王妃は以前、海兵としてジェルマ66と戦っていた」と解釈する向きもあるようだが、私はこれは無いだろうと考えている。

 

 王妃が海兵だったかどうかはともかく、そもそも王妃の生きていた時代には既に、ジェルマ66は世界政府と敵対していなかったと思われるからだ。


 ソラ王妃が海軍に在籍していたと仮定した場合、その時期は遠く見積もってもせいぜい30年ほど前のことだろう。

 ジェルマ66と世界政府がそれほど最近まで戦争していたのだとすれば、ジェルマという組織の存在はもっと公になっているはず。

 

 しかるに、あのロビンですらヴィンスモーク家の名前は「どこかで聞いた覚えがある」程度の知識しか持っていなかった。

 ヴィンスモークにまともに反応したのは、50年間外界と隔絶された海を漂い続けた御年90歳のブルックだけである。

 

 つまり、ジェルマ王国が悪の代名詞として海軍(世界政府)と激戦を繰り広げていたのは、半世紀以上前からのことだと解釈できる。


 また、尾田先生の画集である
『Color walk 2』には「今、ノースブルーでは40年に渡る戦争が起きている。国に雇われた海賊達による戦争」という走り書きが掲載されている。
 この設定がまだ活きていると仮定すると、40年前には既にジェルマ王国による北の海の支配は終わり、群雄割拠の戦国時代となっていたわけだ。

 ジェルマ王国が世界政府の軍門に降り、ノースブルーでの覇権と領地を全て没収されたことで、今までジェルマの支配下にあった諸国がノースブルーの新たな覇権争いを繰り広げているという構図だろう。


 ここまでの情報をまとめると、ブルックの船が「魔の三角地帯」に迷い込んだ50数年前には既にヴィンスモーク家は悪名を轟かせており、遅くとも40年前には北の海での覇権を失っていた、ということになる。

 元よりそれだけの時間をかけなければ、北の海の征服などという本来は歴史に残る程の大事件を引き起こした国家が架空の存在と認識されるようになるのは不可能だろう。
 
 生前のソラ王妃はさほど年を取っているようには見えない。
 
サンジを産むより20年以上も前に、英雄的な海兵としてジェルマ66と戦っていたとは到底考えにくい。


 もちろん、王妃の名前が「ソラ」であることと『海の戦士ソラ』の物語が全く無関係とは思えない。

 だが、その関係は史実のジェルマ66と海軍の戦争とは全く別のところにあるはずだ。

 

 私が予想しているのは、852話の感想で書いた通り、『海の戦士ソラ』の著者とソラ王妃が血縁関係にある可能性だ。

 そして、作中で合体ロボが登場することや、ジャッジと旧知の間柄であることを踏まえると、『海の戦士ソラ』の著者はベガパンクではないかと考えられる。
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 ソラ王妃はベガパンクの娘であり、かつてジャッジがベガパンクと同じ研究機関にいた頃に出会ったのではないだろうか。

 もしそうであれば、サンジはベガパンクの実の孫ということになるから、いずれ描かれるであろうベガパンクと麦わらの一味の接触では、再びサンジを中心に物語が展開していくのかもしれない。