ネオ天草のジャンプ感想日記

ジャンプ感想を主に書いています。

四葉さん、とうとう鐘の下キスの相手でない事が確定す……。【五等分の花嫁 第108話】

 やったーーーー!!

 これで完全に一花が真・花嫁なのが決まったぞ!!

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 ※以下、第108話『最後の祭りが四葉の場合②』の感想。

 

第107話の感想はこちら。

neoamakusa.hatenablog.com

【過去から脱却した?】

 なーんだろね。

 この妙にモヤモヤする終わり方は。

 こう、語られる言葉とは裏腹に、あまり四葉がポジティブな方向に向かってる感じがしないんだよね。

 大事なのは今かもしれないけど、かといって別にフータローとの幼少期の思い出を断ち切る必要なくない……?

 

 四葉のこの選択は、「自分はフータローと結ばれてはならない」という思い込みが前提になっている。

 で、彼女がなぜそう思い込んでいるかというと、落第した自分のせいで一緒に転校する事になった(しかも、それまで見下していた)姉妹たちへの「贖罪」の精神が四葉をそのような強迫観念に追い込んでしまったわけだ。

 その自罰的な感覚からは、四葉はまだ自由になれていない

 

 また、前の高校で打ち込んだ陸上等の運動競技に関してもそうである。

 彼女はそこで挙げた華々しい成績を、「無駄な五年間」と表現した。

 これもまた落第したことによる過剰な自己否定の一つであり、未だに克服されていない。

 

 うーん。

 「過去にケリを付ける」と言いつつも、肝心なところが全く解決してないんだよね。

 『風太郎君への想いを自分だけは押し殺さなければならない』という誤った思い込みを抱えたまま、「風太郎との過去と決別する」と言われても、それは前進ではなく後退ではないのか……? と懸念せざるを得ない。

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 結局、この時から何も変わっていないよね。

 

 「もう君との思い出に頼らない」という言い回しもなあ。

 こっちからすると別に四葉はそんなにフータローとの思い出に依存していた印象が無いんだよね。

 何だろうな。

 『最初に風太郎君と出会ったのは自分だ』という事実を拠り所にしていて、内心では他の姉妹に対して「自分が一番特別な関係なんだ」という優越感を抱いていたという自覚があったのかな。

 

 いずれにせよ、あまりに自虐的だよね。

 今回のエピソードは一見して四葉が過去に決着をつけて成長したかのように描かれているけど、実は現時点では彼女はまだ過去に囚われたままだと解釈すべきじゃないかなあ。

 更に一波乱、二波乱があって、ようやく四葉の救済に至るんだと思う。

 

【竹林の目的とは】

 そう考えると、四葉を導いているかのように描かれた竹林さんが、一転してフータローと切り離そうとしている死神のように見えて来る。

 先週、四葉の失神で暗転する直前に登場したのもいかにも意味深長だしなあ。

 

 そもそも彼女が何の為に文化祭に来たのかもよく分からないままだし。

 中野姉妹が同じ高校にいることを知らなかったのが本当なら、目的はフータローだったということになるけど、なぜ突然姿を見せたのか。

 いや、まあむかし仲が良かった同級生の高校で文化祭をやってるのを知って、久々に会ってみたくなっただけだとしても不自然ではないが……。

 

 小学校の時は表情豊かだったのに対して、現在だと常に笑みを貼り付けてるのがちょっと不気味なんだよなあ。

 京都で出会った少女について熱く語るフータローを笑顔で見ているから、別に彼に対して恋愛感情があったわけではないようだけど……例えばあの笑みの下に嫉妬や憤怒を隠しているとすると、現在の振る舞いの意味も大きく変わってくるよね。

 

【陸上部部長】

 お前かーい。

 「この舞台で四葉が本音をぶちまけるのではないか……?」とか言ってた自分が馬鹿みたいで笑ってしまった。

 

 それにしても、陸上部部長、怖……。

 これほぼノー稽古でやってるわけでしょ?

 台本もこの日急に言われるまで読んだことも無かったろうし。

 多分、初日の四葉の映像をその夜の内に何百回も繰り返し見て自然に暗記してしまったんだろうな……凄いを通り越して怖いわ。

 

 まあ、四葉にしたってテスト前なのにフータローの誕生日プレゼントに千羽鶴を折ったり上杉家を一晩中見張って、フータローと五月を公園まで尾行したりしてるので、そういう意味ではお似合いなんだけどね。

(参照)

neoamakusa.hatenablog.com

  というか、陸上と全く関係ない舞台まで録画して見ているってことは、四葉の走りに惚れるに留まらず、もう四葉そのものに惚れてるのね……。

 お互いに愛が重過ぎるビッグレズカップルが誕生してしまう。

 

 あと、「お前の世話になった奴らばかりだ」のところの部長のシーンのチョイスな。

 完全にクレイジーサイコレズ扱い。

 

【四葉は鐘の下のキスの相手ではない】

 んでもってここからが本題と言えば本題。

 

 これまで何度も書いてきたように、私は鐘の下のキスの相手(=真・花嫁)として一花のほかに可能性があるのは四葉だけだと考えてきた。

 しかしながら、今回の「私ってば思い切ったなー」という四葉の台詞で、彼女もまた脱落が確定してしまった。

 

 何となれば鐘の下のキスの相手は、この時点で積極的にキスをしようとフータローに迫っていたからである。

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 春休みの時点でここまであけっぴろげにフータローに迫った女が、今さらキスをしただけで「思い切った」などと独白するなどあり得るだろうか? いや、無い!!

 

 つまり、真・花嫁に該当するのは「春休みの時点で自分からキスを迫る程の積極性を持ち」かつ「それをフータローや他のヒロインに隠そうとするくらい消極的」なヒロインなのだ。

 それに該当するのは、一花だけしかいない。

 

 とはいえ、今の私は祝杯を挙げる気にはなれない。

 このような形で四葉の涙を見てしまった以上、感受性が豊かな私はただただ哀れみの感情が込み上げるのみである。

 

 祝杯をあげるのは、四葉が本当の意味で過去の呪縛から解き放たれ、フータローへの想いに真の終止符を打った時でも遅くはあるまい。