ネオ天草のジャンプ感想日記

ジャンプ感想を主に書いています。

ニューダンガンロンパV3 第5章『愛も青春も無い旅立ち』感想

 この章は結構面白かった。
 おかげで4章で絶望的に下がったモチベーションがまた上がったや。

ニューダンガンロンパV3 第4章『気だるき異世界を生かせ生きるだけ』感想はこちら

※以下、ネタバレ注意
 王馬が実は良い人っぽく死ぬってのは想定内というか、むしろ誰もが考えていた展開だとは思うけど、そこから少し捻って「王馬はあくまでも自分が黒幕に勝つという目的のために行動していた」という展開にしたのは良かった。

 ただ、王馬の計画の内容に関してはあんまり納得はできないかな。
 コロシアイの首謀者を演じるためにゴン太を煽って犯人に仕立てたとか言っていたけど、外の世界が滅んでいることを伝えるだけで少なくとも「外に出たい」という動機は失われるんだから、
コロシアイを止めるためなら別にゴン太に殺人を犯させる必要はないよね。

 ま、とはいえ事件の真相自体は予想を裏切るものだったし、その辺の強引な設定には目を瞑ろうという気になれた。
 春川さんが怪しいのはミスリードで、百田君が犯人だとは予想していたけど、捜査パートや学級裁判序盤は百田と王馬が協力していたとは全く気づけなかったからなあ。

 もっとも、偶然の要素(特に春川さんの行動)が多い事件だったのに、事前に王馬君が台本を書けたというのは無理があると思うが。


 モノクマに一泡吹かせたという点でも今回は結構カタルシスがあったので、最終章と思われる次章にも期待したいところだけど、5章の情報の中にちょくちょく気になるものが……。

 
ニューダンガンロンパV3を買った第4章の記事で書いたように、やはり今作がこれまでのダンガンロンパシリーズとは別世界という前情報はデタラメで、実は時間軸が同じだと明かされた。
 しかし、もし5章の情報の通り世界が既に滅んでいるとすると、過去作のキャラクターまで死んでいることになるので、いくらダンガンロンパのスタッフと言えどもそれはやらないだろう。

 王馬や百田によって才囚学園のデスゲームを見物している存在が示唆されたが、そもそも世界が滅んでいるという情報すら嘘という可能性が高そうだ。
 つまり、
「思い出しライト」によって『思い出した』記憶は、植え付けられた偽の記憶ではないだろうか。
 記憶を自由自在に消去・復元するという超技術があるくらいなのだから、偽の記憶を書き込むことができてもおかしくはない。

 モノクマ
「最原達が殺し合いを止めても代わりはいくらでもいる」という趣旨のことを言っていたし、人類が生き残っていることはほぼ確実だろう。
 まあ、16人の参加者が全員作られた記憶を植え付けられた人造人間とかで、そういう意味での「代わりはいる」発言という線も考えられなくはないけど。


 ラストにまたもや江ノ島が登場して正直かなりゲンナリしかけたが、これはさすがに何かのミスリードで、黒幕は別にいると好意的に解釈しよう。

 とは言っても、この期に及んでゲーム参加者には首謀者はいなさそうなんだよね。
 強いて言えば、ツッコミ役だけであんまりキャラの立っていない白銀さんくらいだけど、白銀さんが黒幕でも別に驚きはないんだよなあ。

 あとは、最原君が自身の記憶も捏造しているだけで実は首謀者みたいなオチも考えてはみたが、あまりにもアンフェア過ぎるし、ナンボ何でもこれはあり得ないだろう。

 そうすると、モノクマが「首謀者なんて本当にいるのかな?」と言っていたように、モノクマというロボット自体が始めたことか、今回のコロシアイゲームを見物している組織(特定の個人ではない)が開催しているとかだろうか。


【苦言】
 被害者が本当に百田くんかどうかを議論する際、夢野さんが「解り切ったことを議論するのは面倒くさいのお」と言ったのにはかなりイラッとしたな……。
 お前の中で百田君の存在はその程度なのかと。

 この台詞以外でも、今回の学級裁判で全体的に夢野さんはおちゃらけていて、そのせいで百田君の死に際して涙していても冷めた気持ちでしか見られなかった。

 ギャグを入れたい気持ちは解るんだけど、せっかく成長を描いた夢野さんをこの扱いってのはやっちゃダメだろう……。
 思い付きのネタに走ってシリアスな場面を台無しにするという最悪のパターンだった。