ネオ天草のジャンプ感想日記

ジャンプ感想を主に書いています。

アクティヴレイド -機動強襲室第八係- 第2話『学園崩壊』

 あ、ダメだこれ全然面白くない。
 谷口監督が関わってなければここで切るところなんだけど……。淡い期待をかけてもう1話だけ様子を見るか。

アクティヴレイド -機動強襲室第八係- 第1話『コードNo.538』感想はこちら

※以下、ネタバレ注意

 【「私たちが守るのは法律。個人の正義を職場に持ち込んじゃダメ」】
 薄っぺらいにも程がある。

 例えばこれを規則を遵守している人間が言うのならばまだ理解できるけど、全員揃って遅刻はするわ、初期設定も調整してない機体を出動させるわ、女性職員を騙して着替えさせ、それを覗くわな集団の長が言っていい台詞じゃない。
 こういった台詞を言わせるなら、もっと第八係の面々を真っ当で生真面目なキャラ達にしておくべきだろう。

 そもそも、今回の事件で「法律」と「正義」を天秤にかけるようなことなんてなかっただろうに。
 単に初期設定もなされてない機体や、冷静に威力の加減も判断できない素人を出してしまったことが失敗の原因なのであって、正義だとか法律だとかそれ以前の問題だろう。
 こんな大仰な似非哲学を語らせる意味が解らない。

 いや、本当のところを言うと製作者の意図は想像がつく。
 おそらくは「『第八係は正義なんて曖昧で青っちろいものではなく、法律を基に行動するプロフェッショナルな集団ですよ』という青っちろいキャラ付け」をしたいがために、一々正義がどうのという台詞を言わせてるんだろう。

 しかし、現実社会において、人間は単に法令を遵守していれば良いというものではない。
 その中で、個々人の良識、正義といったものから、どう行動すべきか柔軟に判断しなければならない場面が必ず来る。
 個々人の正義(理性による判断)を排し、「ただ法律を守っていればそれでいい」というのは凡庸な人間の思考停止でしかないだろう。

 それ以前の問題として、先に述べたように、第八係はまともに規則すら守れないいい加減な連中の集まりでしかなく、「私たちが守るのは法律」という言葉に何の説得力もない
 もはや支離滅裂である。

 「正義を語らず法の番人に徹する主人公たちって格好良くね?」という安易な発想と、「警察組織に縛られず、自由に活動するけど結果は出す主人公たちって格好良くね?」という別の安易な発想を組み合わせ、結果、全くツジツマの合わない集団が出来上がってしまったのだろう。

 あの谷口悟朗がこんないい加減なキャラ設定を認めたとは信じたくない。
 何か事情があって名義貸ししてるんだけなんじゃないだろうかと思いたくなる。

【その他】
・コメンテーターに「元防衛官僚」という肩書をつけるのはいい加減過ぎないだろうか。普通は元の役職を書くものでは。
・マスコミの警察バッシングにリアリティがない。「本当にここまでやらなきゃいけなかったのか、やっぱり疑問に思っちゃいますよねえ」くらいは言いそうだけど。
・協会さんのキャラはちょっとなあ……。やってることが度が過ぎている。
・ヒロインも戦闘するのか。てっきり後方支援の役回りかと。
・敵が厨二すぎる……。
・全員遅刻って……。何でこんな連中に最新鋭の実験機を任せてるんだよ。
・他の部署の描写が雑。「もっと素早く犯人を逮捕してほしい」って、何そのザックリした苦情。
・なぜチンピラ風情があんな装備を持っていたのかとか検討する場面を描くべきだろう。
「上層部の理不尽さにも負けない健気な第八係」を演出したいのだろうけど、こんなリアリティの無い組織の無能さを見せられてもストレスが溜まるだけでしかない。
・ヒナタが室長の代わりに? 双子なの? それとも単なる冗談?
「あらゆる勢力がそれぞれの正義を掲げて」。台詞がペラいなあ。
・生徒会長は胡散臭い。
・ヒロインの英語がやっぱりイラッとする。
・いや、そんな初期設定もされてないのを何で現場に出してんの……。「やっぱり」と言うくらいなら出撃前に言えよ……。
・というか、何で最初から2機以上出撃させないんだ? 学生の命が懸かってるのにヒロインだけを出した理由は?
「予想外の現場に対して結果を出したから合格点」
・結果論にも程があるわ。威力の加減もわからない奴を出すな。

 こういう粗雑な「バッシングを受けながらも頑張る現場の警察官」みたいな作品を見せられると、漫画版パトレイバーがどれだけクオリティが高かったのか改めて思い知らされるなあ。