ネオ天草のジャンプ感想日記

ジャンプ感想を主に書いています。

羂索はやっぱり天元様の掌の上で操られてるだけなのでは?【呪術廻戦 第220話『自浄自縛』】

 どう考えても怪しいんですよね、天元様って。

 

※以下、ネタバレ注意

【全て天元様の思惑通り】

 そもそも、天元様は虎杖達の前に姿を現した時から、「怪しい」を通り越して、明らかに「クロ」だった。
 何となれば、羂索の計画を詳細に把握しておきながら、それをこの段階まで呪術師たちに伝えていないからだ。

 はっきり言って、五条悟に全てを伝えていれば、羂索の計画などあっさり水泡に帰していたはずだ。
 真人さえ祓ってしまえば、死滅回游は始められないのだから。

 仮に五条悟の人格が信用できないとしても、あそこまで事態を把握している以上、呪術総監部の中で羂索の息がかかっていない者を見分けることも出来ただろうし、総監部でなくとも御三家や学長クラスもいたはずだ。

 だが天元様は実際には、五条悟が封印され、羂索の計画が最終段階に入るまでダンマリを決め込んだ挙句、手遅れになってからようやくノコノコと姿を現し、皆に事情を説明した。

 誰がどう考えても、本気で羂索の計画を阻止しようとしている者の行動ではない
 つまり、天元様は羂索の狙いを知っていながら、敢えて放置していたことになる。

 

【星漿体の無視】

 天元様が羂索を泳がせていた根拠がもう一つ。
 言うまでもなく、「なぜか星漿体と同化しなかったこと」である。

 羂索の狙いは日本国民全員を天元様と同化させ、新たな存在を生み出すことだが、そもそも天元様が星漿体と同化していれば、その目論見は実現不可能だった。

 故に、羂索はこの1000年の間、二度に渡って天元様と星漿体との同化を阻止しようとし、いずれも当代の六眼に阻まれている。

 つまり、天元様は「星漿体と500年に一度の同化さえ済ませれば、羂索の計画は実現しない」ことを知っていたことになる。

 にも関わらず、彼、いや彼女は、星漿体と同化しなかった。
 天内理子以外にも星漿体の候補は存在し、羂索の妨害も無かったのに、自ら同化の道を放棄したのである。

 そう出来たのに同化しなかった理由について、天元様はごちゃごちゃと短く語っていたが、あまりにも抽象的過ぎるし、そもそも説明になっていない。

 話を聞いた九十九が「ふざけるな」と思うのも当然のことだ。

(正直、もっと深く追求しろよとは思うが)

(虎杖周りの不自然さに五条先生らが全く疑問視しなかったこともそうだが、あからさまに怪しい事態についてキャラが無頓着過ぎるのはこの漫画の弱点よね……が、それはとりあえず置いておく)

 

【天元様の目的】

 以上のように、天元様が羂索の計画を利用して、何かを企んでいることは分かっていたものの、具体的に何を目的としているのかについては全く想像もついていなかった。

 だが、この220話において、ようやくそれも見えてきたように思う。

 天元様が日本列島における呪いの秩序を維持するために活用してきた浄界に、宿儺の肉体が使用されていることが示唆された。
 1000年前に宿儺を礎にした浄界によって日本列島の安定化を実現したのだとすれば、今回も同じことをやろうとしているのではないだろうか?

 つまり、宿儺の復活こそが、天元様の狙いというわけだ。

 

【崩壊した呪いのバランス】

 羂索は「呪霊の発生抑制」を天元様が担ってきたと語っているが、五条悟の誕生以降、呪霊の発生件数は増加し、その強さも加速度的に増している。
 天元様は現在、呪霊の発生を制御できなくなっているのだ。

 その起因は上記のように五条悟の誕生であり、そして輪廻から外れた禪院甚爾というバグの発生なわけだが、ではなぜそもそも、バグは生まれてしまったのか?

 根本的な原因は、1000年に渡って呪いを抑制してきた浄界の老朽化にあると考えてみたらどうだろう。
 もしも天元様が日本列島に張った結界の源が宿儺の肉体にあるのだとしたら、いずれはそのエネルギーは尽き果てるはずだ。

 1000年間、日本における呪いのバランスを保ち続けていた結界が朽ち、綻びている。
 このままでは、これまで築き上げてきた秩序は崩壊し、大勢の犠牲が出ることだろう。
 六眼と星漿体の輪廻も崩れ、自分を狙う羂索の目論見通りとなり、日本国民を巻き込んだ化け物が生まれ、人類は滅亡する。
 天元様は何としてでも結界を再生成しようとしたはずだ。

 さて。
 宿儺の肉体を礎に作られた浄界を復元するには、どうすれば良いだろうか?
 決まっている。再び宿儺の肉体を礎にするしかない。

 羂索が虎杖という「宿儺の器」を造ったのが僅か16年前。
 一体なぜ羂索は、自らの計画と直接関係ない「宿儺の器」を作ろうと思い立ったのか。

 そこには天元様と、彼女の意向を受けた忠実な手足の介在が感じられるはずだ。

 死滅回游という儀式で生み出した日本国民への「慣らし」と境界。
 この境界もまた、あくまでも天元様が管理者である浄界を基盤として作られているというのも、実に意味深長だ。

 羂索を超える結界術師である天元様ならば、自分と日本国民の同化において羂索が「慣らし」の為の儀式を行う(行わざるを得ない)ことも分かっていたはずだ。

 死滅回游もまた、結界の張替えの下準備のために、天元様が敢えて羂索に行わせている行為なのかもしれない。

 

【本当の標的は九十九だった】

 天元様黒幕説の一番のネックは、言うまでもなく、彼女が九十九や脹相と組んで羂索を倒そうとしたことだろう。
 上記の仮説に従うならば、羂索がここでやられてしまえば、天元様にとっても困った事態になったはずだ。

 だが、果たして本当に天元様は羂索を殺す為に九十九たちに協力していただろうか?
 実は天元様があの戦いで本当に亡き者としたかったのは、九十九ではないのか?

 という内容を書こうと思っていたのだが、長すぎて疲れてきたので、それは別記事にします。

 ※ってことで、書きました。

neoamakusa.hatenablog.com

 要するに何が言いたいのかというと、夜蛾学長は天元様と羂索のWスパイであり、自らの魂を映した呪骸として再登場するって話よ。