ネオ天草のジャンプ感想日記

ジャンプ感想を主に書いています。

セラフィムの命令者はサターン聖説とルッチ達の粛清について【ONE PIECE 第1075話】

 昨今、ここまで「強いジジイ」が多い漫画もあまり見なくなった気もする。

※以下、ネタバレ注意

【人影】

 カメコの映像に一瞬映った人影は、エグヘッドへ向かっていることが描かれたサターン聖にそっくりである。
 セラフィムの命令権がベガパンク以上の人物によって上書きされていることも考えると、全てはサターン聖の仕業と見て間違いあるまい。

 正(シャカ)は「ベガパンク」の誰かがセラフィムに自分達を攻撃させていると誤認していたが、さしもの彼も、まさか五老星が直々にエッグヘッドまで出向き、しかもフロンティアドーム内部に入り込んでいるなどとは想像もできなかったのだろう。

 

【ドームへの侵入】

 軍艦の上にいたはずのサターン聖がドーム内へ侵入したとなると、その方法は、

・ワープ、もしくはロギアの能力でレーダーに捕捉されずに侵入

・フロンティアドームが解除された隙に侵入

 このどちらかと考えられる。

 前者の場合なら、サターン聖が悪魔の実の能力者なのかもしれないし、あるいは800年前に滅んだ王国の超科学技術を政府は密かに保持しており、それを使ったのかもしれない。

 「例え何らかのワープ能力を持っているとしても、さっきまで軍艦の上で黄猿と会話していたはずの彼がドーム内にいるのは無理があるのではないか?」という意見も見受けられたが、そもそも、1073話のその場面が「いつ」の時点なのかは語られていない
 時系列的には、現在よりも少し前の場面だった可能性もある。

 

【ルッチとカクの粛清】

 さて、気になるのは、セラフィムがルッチやカクのことまで殺そうとしていた事実だ。
 もし、命令者がサターン聖ないし世界政府側の人間だとすれば、ルッチ達は政府から切り捨てられたことになる。

 いや、わざわざドームを解除し、CP0を招き入れた上で再びフロンティアドームを作動させて「閉じ込めた」以上、今回の作戦の標的はベガパンクだけではなく、ルッチ・カク・ステューシーの3名も最初から抹殺するつもりだったと見るべきだろう。
 世界政府はCP0の3名にベガパンク暗殺を命じる一方で、実際には彼らもまとめてセラフィムに始末させる計画を立てていたわけだ。

 その理由はまだ判然としないが、ワノ国編の顛末が関係している可能性はありそうだ。

 CP0には4名の特級エージェントが登場しているが、その内ジスモンダを除く3名は、ワノ国にて消息不明となっている。
 もし、特級エージェントがこの4名しかいないのであれば、CP0はもはや政府にとって、戦力を著しく欠いた組織に成り下がっている

 無論、ただ戦力を欠いただけでは残りの人員を抹殺する理由にはならない。
 しかしながら、CP0はそもそも五老星にとって都合が良いだけの組織ではなかった

 ドレスローザ編においては、イム様から命令を受け、五老星の頭越しに、ドフラミンゴの七武海辞任撤回工作を行ったことが示唆されている。

 また、レヴェリーの際にも、各国の王族が集う目前で、チャルロス聖の暴挙に加担している。
 種族間の融和を重視する五老星にとっては、しらほし姫の拉致などもっての他だし、王達に政府への不信感を植え付けるような真似も断じて容認できなかっただろう。

 他のサイファーポールと違い、「全ての天竜人直属」のCP0は、五老星にとっては自分達の意図しない政治的動揺をもたらしかねない存在でもあったわけだ。

 そんなCP0が、特級エージェントを失い、半壊状態にある。
 その上、残った構成員のルッチなどは、今回の一件からも明らかな通り、政府の意図よりも自らの闘争本能を優先するような男だ。
 ひょっとしたら、ステューシーとDr.ベガパンクの関係も、五老星は把握していたのかもしれない。

 この役立たずな上に、混乱を持ち込む機関を、まだ存続させておく必要があるのか?

 五老星の中でそんな討議が交わされたとしても、全く不思議ではなかろう。

 

【五老星は科学者集団?】

 上述の通り、フロンティアドームを解除した人物はサターン聖以外の誰かという可能性も考えられるが、もし、サターン聖自身がドームを操作しているのならば、彼には高度な科学的知識があることになる。

 だが、それは特に不思議なことではない。

 今回の扉絵や、あるいはオハラの回想においても、五老星は現在と変わらぬ容姿をしていた。
 彼らは少なくとも22年以上、年を取っていないわけだ。
 つまり、五老星は5人とも、オペオペの実の不老手術を受けて、おそらくは数百年に渡って生き続けているものと思われる。

 「空白の100年」が今ほど風化していない時期に生まれ、しかも世界の中枢にいるとなれば、当然のことながら、「滅びた王国」の超科学に関する知識に触れる機会は他の誰よりも多かっただろう。
 そして、五老星の立場ならば、ベガパンクの開発したフロンティアドームの詳細を知るのは容易だったはずだ。

 もし、サターン聖がベガパンク以上の科学を数百年かけて学んでいるとすれば、フロンティアドームを自在に操作することも不可能ではあるまい。

 サターン聖に特に科学的知見があったからこそ、今回の作戦に派遣されたのかもしれないし、あるいはひょっとすると、五老星全員が科学者という、未来少年コナンの最高委員会のような連中なんて真相も、あり得なくはない話だ。

 

【五老星の戦闘力】

 サターン聖の顔の傷や、ダンディ聖(仮)の胸の傷、そして和服ガンジー聖(仮)の刀などから、五老星もまたかつては戦場に出て戦ってきた勇士であること自体は予想されていたが、カメコを破壊するその動きからすると、どうやら現役の、しかもトップクラスの強者であるようだ。

 五老星全員がサターン聖並みの身体能力を有しているとすれば、世界政府との最終決戦において、彼ら自身がルフィ達の前に立ち塞がる展開もあり得るのではないか。

 セラフィムの指揮権を再びベガパンク達が奪うには、サターン聖を気絶させる以外に方法は無いが、これだけの強者ともなると、簡単にはいかなそうだ。

 

【その他】

・黄猿や衛兵は何してるんだよという感じだが、ここまで顔を出さないってことは、彼らはドーム内にはいないのだろう。

・ドームの中に入る方法は、サターン聖1人にしか使えなかったと考えられる。

・別の人物がドームを解除した隙に侵入したなら、黄猿だって同行できただろうし、やはりサターン聖はドームがまだ機能してる内から既に入り込み、自ら制御を奪ったんじゃないかな。

・杖をついてるし、五老星の中で着席率No.1だから、てっきりそんなに歩けないもんだと思ってたよ。