ネオ天草のジャンプ感想日記

ジャンプ感想を主に書いています。

もしかしてシャンクスってマジで天竜人なのか……?【FILM REDと40億巻について】

 映画を1回見ただけの曖昧な記憶で書いているので、見当違いだったらごめんね。

 2回目を観てきて確信に変わりました。

 

※以下、ネタバレ注意

映画の感想はこちら

neoamakusa.hatenablog.com

【シャンクスは天竜人なのでは】

 あの悪名高いモンスタージョン氏のサムネでよく知られているシャンクス天竜人説。
 REDと40億巻を経て、これが実は正解なのではないかと思い始めた(そもそも、これ自体は別にあってもおかしくはないような設定ではあるが。根拠が弱かっただけで)。

 以下、私がなぜそう考えるに至ったかを記す。

 

【シャンクスの出生地?】

 40億巻に衝撃の情報が載っていた。
 ロジャー海賊団(まだ海賊団という程の陣容じゃなかった可能性もある)がシャンクスを拾ったのがあのゴッドバレーだというのである。

 第966話のロジャーとレイリーのこの台詞から、シャンクスが赤ん坊の頃からロジャー海賊団に育てられていたことは予想されていたが、まさかゴッドバレー事件の際に拾われたとは想像だにしていなかった(ただ、今から考えると年齢から逆算すれば思いつきそうなものなので、私が知らないだけで予想していた人は多そう)。

 当初、私はこの情報を「シャンクスの一族はゴッドバレーの住人だった」と解釈し、非常に困惑した。
 倩さんが提唱されている「ゴッドバレーにはルナーリア族の生き残りが住んでいた」という考察を支持していたからだ。

 どう見てもルナーリア族ではない普通の人間種であるシャンクスがゴッドバレーの住人であることをどのように考えればいいか……ゴッドバレーがルナーリア族の居住地だという考察は間違っていたのか……と暫く悩んでいたのだが、ふと気が付いた。
 ゴッドバレー事件が発生した際、その地にいたのは何も島の住人だけではないのだということを。

 そう、その1人がまさしく天竜人なのである。

 第957話でセンゴクの口から語られているように、ゴッドバレーには当時、天竜人とその奴隷達もいた(私はこの奴隷はルナーリア族で、島ごと既に世界政府に支配されていたと考えているが、その話はまた別記事で)。
 つまり、シャンクスはその天竜人がゴッドバレーに連れてきていた息子だという可能性があるわけだ。

 彼が「ロジャーが奪った財宝」の中に紛れ込んでいたことからしても、奴隷や島の住人の子供とは考え難い。
 奪われたのが天竜人の所有する財宝だったからこそ、近くにいたシャンクスごと連れていかれてしまったのだろう。

 無論、ロックス海賊団の財宝という線も考えられるが、それならシャンクスは白ひげやビッグマム、カイドウにとっても所縁のある赤ん坊だったはずだ。
 にも関わらず、白ひげやビッグマムなどが全く触れないというのは不自然である。
 ロックス海賊団の船にシャンクスが乗っていた可能性は極めて低いだろう。

 

【フィガーランド家の血筋】

 と、ここまで考えて、FILM REDの中に本編はおろか40億巻でも回収されずじまいの設定があったことを思い出した。
 序盤で五老星がウタの抹殺について討議していた場面でのことである。

 彼女の殺害を提議する五老星に対して、他の五老星が「彼女が〇〇家(全く覚えてない。もう一回見て確認します)フィガーランド家の血筋だとしてもか?」と反論していた。
 この台詞を聞いた時には、「ウタは殺したらマズいことが起きるような血筋なのかー、後から説明されるんだろうな」と受け取っていたものの、結局それ以降、最後まで触れられることはなかった。

 ならばと40億巻を開き、ウタの出生についての尾田先生のネームを読むも、生家については何も触れられていない。

 一体あの設定は何だったのかと疑問に思っていたのだが、改めて考えてみると、「まさか赤髪に娘がいたとはな」と言っていたように、あの時点で五老星はウタのことを「シャンクスの実の娘」だと思い込んでいたはずだ。
 つまり、五老星が口にした「フィガーランド家の血筋」とはウタの家柄ではなく、シャンクスの出自についての話なのである。

 

【天竜人の一族】

 ここで全てが繋がった。
 〇〇家とは、ドンキホーテ一族と同じく、「最初の20人」に連なる天竜人の一族なのだ。

 天竜人であるシャンクスの実娘なのであれば、ウタもまた天竜人
 だからこそ、五老星はあれ程に危険な計画を実行していた彼女の殺害を躊躇ったわけである。

 だとすると、五老星が強行策を決断した場面での「やるしかあるまい。たとえ天竜人の命が失われることになろうともという趣旨の台詞(実際には、「たとえ天竜人が関わっていようとも」だったが、余計にチャロルス聖ではなくウタのことを指してるっぽい)の意味も少し変わってくる。
 あれはチャルロス聖だけでなく、ウタ自身の死のことも指していたのだろう。

 五老星にとっては同胞たる天竜人の命は、それほどまでに重いわけだ。

 

【シャンクスが特別なワケ】

 天竜人なのだとすれば、四皇と呼ばれる海賊の身でありながら、シャンクスがなぜ五老星から厚遇を受け、時として世界政府の政治にすら関わっていることも頷ける。

 自ら世界貴族の身分を捨てたホーミング聖の息子であったドフラミンゴとは違い、シャンクスの親はその地位を失ったわけではない
 例え聖地マリージョアから離れ、ロジャー海賊団に育てられた者であろうとも、天竜人は天竜人なのである。

 何らかの経緯で(赤子ながらも天竜人の証明チップを持っていたのかもしれない)シャンクスの出自を五老星が知ることとなるも、その時には既に大物海賊として世に名が知られており、とても天竜人だと公表できる状況ではなかった。

(第763話より)

 幸いシャンクスは世界政府に対して協力的であり、五老星は彼の出自を隠しながらも、裏で密かに関係を持つ道を選択した。

 確かに改めて考えてみれば、レヴェリーで多忙な中で、「君だから時間を取った」とまで五老星に言わせるのは、シャンクスが天竜人だから以外に考え難いかもしれない。

(第907話より)

 

【シャンクスの背負うもの】

 彼はフーシャ村を拠点としていた時点、40億巻によれば新世界にまで進出していないような段階で既に「ヒトヒトの実(幻獣種)モデル:ニカ」の重要性を知っていた。
 さすがに五老星と繋がっているのに世界政府に対してこのような暴挙に出たとは考え難いから、シャンクスは世界の秘密の一部を何らかの手段で以前から把握していたのだろう。

 シャンクスと共にロジャー海賊団が持ち去った物の中に、それが記された天竜人の所有物があったとすれば筋は通る。
 そもそも、これも957話で語られているように、ゴッドバレーという島自体、世界政府が揉み消す程の秘密が隠された地なのである。

 そこにいた天竜人、つまりはシャンクスの親も、単なる観光や娯楽の為だけに滞在していたとはとても思えない。
 この世界の秘密に触れるような島にいた天竜人だからこそ、政府の最高機密が記された文書等を所持していたとしても、何ら不思議ではないのだ。

 ロジャー達はそれの天竜人の所持品を、シャンクスに渡し、彼は幼い頃からそれに目を通していた。
 自身の出生についても、聞かされていた可能性が高い。

 ラフテルにワンピースを遺したジョイボーイと敵対した血族の末裔であるシャンクス。
 彼がロジャーに見せた涙の意味も、その出自が大きく関わっていそうだ。

(第968話より)

 

 ってかこれで、五老星が言った一族の名前を確認できれば、シャンクスのフルネームがとうとう判明するのね。
 レオリオやヒソカのフルネームが分かった時も妙な気分になったものだが、果たしてどんな語感なのだろう。

 ※フィガーランド・シャンクスがフルネームのようだ。

 もっとも、もし「シャンクス」がロジャー達の付けた名前なら、親から貰った本名は別にあることになるけれど、上述の予想が正しければ、ロジャーに連れ去られた時点で出生を示す物品をかなり多く所持していたことになるから、シャンクスも本名な気がする。

 

【ゴッドバレーは西の海?】

 肉味噌さんより「シャンクスが天竜人だとしたら、西の海が故郷という台詞と矛盾するのでは?」との指摘があった。

(第434話より)

 正直、私はこの白ひげとのやり取りをすっかり忘れていたのだが、ゴッドバレーに関する記述を読み返したところ、かつてその地がどこに存在したのかは明言されていなかった。
 ゴッドバレーが西の海にあったと考えれば、この矛盾にも説明がつくのではないだろうか。
 つまり、シャンクスは聖地マリージョアではなく、ゴッドバレーで産まれたというわけだ。

 上述の通り、シャンクスの親は天竜人として特殊な立場にいる人物だったと思われる。
 何らかの目的でゴッドバレーに長期滞在しており、身重の妻を連れてきていたとしても不思議ではないし、あるいは現地妻がいたのかもしれない。

 そうしてゴッドバレー事件が発生するまでの1年間、シャンクスは天竜人でありながら、聖地ではなく西の海で育てられた。

 白ひげは飲む前からこれを西の海の酒だと言い当てているから、徳利が西の海特有の焼き物だったか、あるいは匂いが西の海の製法で作られた酒ならではのものだったのかもしれない。
 いずれにせよ、在りし日のゴッドバレーにおいても、他の西の海の島々に似た技法で酒が造られていた。
 もう二度と作られることの無い、36年以上前のその酒を、シャンクスは苦労して探し出し、大事にとっておいたのかもしれない。

 その超希少な酒を白ひげへの手土産として持ってきたのであれば、読者が想像していた以上の誠意がそこには込められていたことになるなあ。