ネオ天草のジャンプ感想日記

ジャンプ感想を主に書いています。

映画『アイアムアヒーロー』感想

 この手の映画の中ではかなり面白かった。
 100点満点で80点。

※以下、何の遠慮もなくネタバレしているので注意
 原作は一応既読。
 とはいえ、読んだのは最初の方と、比較的最近の話だけで、今作のメインとなったモール編(?)は全く目を通したことがない。

 鑑賞する前は「所詮は邦画だから」と考えてあまり期待していなかったものの、ZQNの変貌や動き、流血描写も安っぽさを感じないくらいよくできていて、予想を遥かに上回る迫力があった。
 ゾンビ映画はそこそこ(あくまでそこそこ)観てきたつもりだが、洋画を含めた全体の中でも、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 死霊創世紀』、『28日後...』、『28週後...』『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ドーン・オブ・ザ・デッド』『ランド・オブ・ザ・デッド』『REC/レック』『ゾンビランド』『ザ・ホード -死霊の大群-』などと並んでトップ10に食い込むかもしれない(駄作が多いからではあるが)。

 欲を言えば、比呂美の活躍はもう少し欲しかったし、終盤のひたすら銃で撃っていく場面が少しダルかったけれど、それを差し引いても十分楽しませてもらった(前者に関しては原作との兼ね合いもあるんだろうし)。

 一番面白かったのは、走り高跳びのZQNがラスボスだったことかな。
 てっきり、屋上の避難所を破局に追い込むだけの役回りかと思っていたから、あそこまで美味しい立ち位置だったのは意外性があった。

 役者を原作のキャラデザに似せていたのも好印象。20世紀少年並みにハマっていたと思う(ただまあ、長澤まさみに小田さんのような乱暴な口調の女性役をやらせるには、ちょっと迫力不足だったかな)。
 もっとも、原作の女性のキャラデザはあまり可愛い感じではないから、映画の女優陣は普段よりも美人に見えた。この手の実写化で二次元より実写の方が良いと思えるのは珍しい。

 徹子がヒステリックなだけになっていたり、中田コロリとの関係が完全に省かれていたのは残念ではあるけど、映画の尺を考えると、この辺の英雄の複雑な心情を描くのは無理があるから仕方ないだろう。