尾田先生にまんまと騙されましたわ。
ONE PIECE 第908話『世界会議開幕』感想【週刊少年ジャンプ29号】はこちら
※以下、ネタバレ注意
頂上戦争の際にジュエリー・ボニーが流した涙。
白ひげがスクアードに刺された直後というタイミングだっただけに、彼女が泣いていたのは白ひげの関係者だからだと考えていたのだが、実際には改造されたバーソロミュー・くまの姿を(加えて彼を模したパシフィスタ達も?)目撃したことが理由のようだ。
頂上戦争が終わった後、ボニーは「何もかも」の原因となった「あいつ」を探し出すために新世界に向かう。
しかし、新世界突入直後に黒ひげ海賊団にやられてしまい、軍艦と引き換えに海軍に売られる羽目に陥った。
当然、私は「あいつ」とは黒ひげのことを指していたのだと解釈したし、彼がエースを世界政府に引き渡したせいで頂上戦争が勃発したのだから、「何もかも」とはそのことを意味しているとこれまで思い込んでいた。
だが、よくよく読み返してみると、「ボニーが黒ひげに返り討ちにあった」などという情報はどこにも書かれていなかった。
要するに、ボニーの標的は黒ひげではなく、「あいつ」を探し出す為に新世界に入ったものの、運悪く早々に黒ひげと出くわしてしまったというのが事の真相なのだろう。
長らく謎だった赤犬のこの台詞も、908話を読めばどういう意味だったのか理解できる。
おそらく世界政府はボニーを人質にすることで、くまを言いなりにしていたのだ。
ボニーが変装していたソルベ王国のコニー王太后は実在の人物である。
老化するだけで瓜二つの容姿になるということは、ボニーはソルベ王国の王族の血を引く人間だと考えられる。
となれば、ソルベ王国の元国王であるバーソロミュー・くまと血縁関係にある可能性は極めて高い。
おそらくは、くまの実の娘、つまり元王女がボニーなのではないか。
娘を人質に取られていたからこそ、くまは革命軍を抜け、政府に忠実な唯一の七武海となり、更には最終的に人格までも消え去ってしまう改造手術すら受け入れたわけだ。
政府からボニーが逃げたと聞いたときに赤犬がひやりとしたのは、人質にいなくなればくまが反旗を翻す恐れがあったからだろう。
また、続けて言った「もう全て終わった」とは、くまの改造手術が完成し、人格が消え去ったことを指しているに違いない。
自分の存在が父を憎むべき世界政府の奴隷としてしまい、ついには人格までも奪われたとなれば、ボニーが怒り狂うのも道理だろう。
↑の画像の場面を見ると、赤犬の台詞も少しだけ言い淀んでいるというか、若干のやるせ無さすら感じる口ぶりである。
もしかすると、あのサカさんですら同情する程に、くまとボニーの父娘が政府から受けた仕打ちは酷いものだったのかもしれない。
……いやでも、あの赤犬にそんな人間の情があるかな。気のせいかも。