まあ、五老星の『もっと上』の人間がいることは、ひとの感想を見るまで完全に忘れてたんだけど。
ONE PIECE 第907話『虚の玉座』感想【週刊少年ジャンプ28号】はこちら
※名前が判明したので題名を変更。
※以下、ネタバレ注意
五老星という世界政府最高権力の存在が初めて明かされたのは第233話であるが、それから何年も経った第907話にて、公式的には「五老星は天竜人の最高位」なる情報が開示された。
これまで私は五老星のあまりに天竜人とかけ離れた振る舞いから、彼らのことを平民出身だと考えていたので、今回それが覆されてかなり驚いている。
ただ、↓のサカズキ元帥の台詞から解るように、どうも五老星は通常、他の天竜人とは区別されているようだ。
五老星も天竜人なのだから、『天竜人の傀儡』に頭を飛び越えられるという表現は本来おかしい。
つまり、政府内で「天竜人」という言葉が使われるときは、「五老星以外の天竜人」を指しているものと考えられる。
一方、ドフラミンゴの七武海脱退誤報の件は『五老星のもっと上』の存在からの指示によるものだが、実際に動いているのが「天竜人の傀儡」たるCP-0であることを考えると、この『もっと上』の人物(仮に『世界王』とする)は、サカズキ元帥の言う「天竜人」に含まれていることになる。
(週刊少年ジャンプ27号(2018年)感想でも書いたが、王冠を被ってるっぽいこの人物こそが世界王ではないか)
元帥の台詞が正しいとすれば、天竜人の王であるこの世界王(仮)こそがドフラミンゴと取引しており、五老星に断りなくCP-0を動かし、世界に七武海脱退は誤報であると広めさせたようだ。
現在インペルダウンに収監されているドフラミンゴに対して刺客を差し向けたのも、この世界王(仮)だろう。
だが、インペルダウンの事実上の責任者であるマゼラン副署長は、刺客の手からドフラミンゴを守ろうとしている。
政府上層部からの指示にマゼランが逆らい、独断で刺客に対抗しているとは考えにくいし、そもそも政府がドフラミンゴを消す気であれば、バカ正直にインペルダウンに収監などせずに、護送の段階で殺害してしまえば良いはずだ。
となれば、世界王(仮)がドフラミンゴを消そうとしている一方で、世界政府は彼を生かしたがっていることになる。
思うに世界王(仮)は五老星よりも上位の存在ではあるが、世界政府機関を動かす権限はあくまでも五老星が握っており、更に、世界王と五老星は意見が対立する関係にあるのだろう。
世界政府は五老星が全権を握る。
その代わり、世界王(仮)と一般天竜人にはサイファーポール〝イージス〟ゼロという直属の組織が与えられ、彼らの活動は五老星であろうとも止められない。
ここまでの情報を統合すると、マリージョアの力関係は、概ね上記のような形になっているのだろう。
公式的には存在しないことになっている、五老星の上の世界王(仮)。
『虚の玉座』の主であるこの人物は、天竜人には頭の切れる指導者がいるでも書いたように、世界の秩序の為にモリア暗殺を決断する程度の知見は持っており、愚か者だらけの一般天竜人とは大きく違う。
五老星はそんな自分達の王を無下に扱うことは出来ないが、決して服従しているわけではなく、ドフラミンゴを暗殺しようとする王の方針に真っ向から逆らい、彼を守ろうとしている。
おそらくは、世界王(仮)と取引していたドフラミンゴから、王に関する情報を引き出すのが目的ではないだろうか。
表向きの天竜人の最高位である五老星と、実際に天竜人の頂点に立つ世界王(仮)。
五老星が権限を握る世界政府の各機関と、世界王の指示で動くCP-0。
世界中で各勢力の思惑が大きく動き出す中で、聖地マリージョアという世界の中心においても、激しい権力闘争が勃発するのかもしれない。