ネオ天草のジャンプ感想日記

ジャンプ感想を主に書いています。

カイドウの正体、闘魚説

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 ブログリハビリもかねて、以前からちょいちょい言ってきた説を。

【人間ではない】

 数年前より私はカイドウのことを「『モデル:龍』の悪魔の実を食べた『人間以外の生物』」だと予想してきた。

 パンクハザードにてローとナミさんにわざわざ「この世における最強生物と言われている」「え!? 何? 人間でもないの!?」と言わせた以上、作風的にもそこには必ず意味があるはずだ。
 「幻獣種を食べたただの人間です」で終わるはずがない。

 

【龍の人化】

 では、一体どういう理屈で現在人間の姿をとっているのか。
 ザックリ言うと、カイドウの食べた「ウオウオの実(幻獣種)モデル:青龍」には、人化の能力が含まれており、現在の彼はその効能で人の形をとっているのだと考えている。

 大陸には四神の青龍から派生した四海竜王が人化する伝承が残っており、中でも封神演義には、青い龍である東海竜王が人の姿となって登場する。
 これらの伝承を転用し、青龍の能力には動物を人間へと変えるヒトヒトの実に近い効果がある設定なのだろう。

 カイドウはロックス海賊団壊滅時にビッグマムからウオウオの実を与えられている。
 ロックスが最期の日を迎えるまでの彼は、人間以外の何かだったと思われる。

 

【一生の恩】

 ルンバ―海賊団がラグーンを仲間として遇していたように、ロックスもまたカイドウをペットではなく船員とみなし、「見習い」と称していたのだろう。
 そして、世界中の全種族、いや、この世の「全て」が差別なく暮らせる世界に拘るビッグマムは、人間ではないカイドウのことも「弟分」と見ていたわけだ。

 もとより、ビッグマムはウオウオの実を与えたことを「一生の恩」だと語っていたが、いかに貴重な悪魔の実だとて、「一生の恩」とするにはあまりにも大袈裟だ。
 悪魔の実の能力者でなくても、カイドウは十分強いのだから、ウオウオの実を食おうがそうでなかろうが、さほど大きな差は無い。

 だが、その悪魔の実の効果で人間になれたのだとすれば、話は全く変わってくる。
 現在のカイドウがあるのは全て、ビッグマムからウオウオの実を貰ったおかげだということになるからだ。
 これは確かに「一生の恩」と言っても決して過言ではない。

 

【最初で最後の日】

 ビッグマムはカイドウにウオウオの実を与えた時期について、「ロックスが滅びたあの日」「ゴッドバレーで」と言ってたが、センゴクによる回想でのロックス海賊団のシルエットの中には、人型のカイドウも描かれていた。
 となれば、彼が人間の姿となったのはロックス海賊団壊滅の直前だろう。

 青龍の能力で人の姿となってゴッドバレー襲撃に参戦し、そして、その日のうちにガープとロジャーに船長を討ち取られ、ロックスは壊滅した。
 もし、人間ではない自分を見習いとして船に置いてくれた船長ロックスのことをカイドウが慕っていたとすれば、現在の彼の厭世的な態度は、その喪失感を埋められぬまま生きてきたからかもしれない。

 

【闘魚】

 さて。
 それではずばり、カイドウの真の正体とは一体何かと言えば、私はドレスローザ編に登場した闘魚の一種だと予想している。

 カイドウと闘魚の関係を指摘する読者は以前から存在していた。
 その場合はむしろ、カイドウの能力として闘魚を挙げる人がほとんどだったが、逆に闘魚が青龍の能力を得た姿がカイドウだったのではないだろうか。

 この仮説の傍証となる描写は、第1014話にもあった。
 「お前もジョイボーイにはなれなかったか」というカイドウの台詞である。

(余談だが、私は現代のジョイボーイはルフィではない他の誰かだと考えている)

 例えば魚人島のポーネグリフの情報などから、ジョイボーイなる者の存在を知っている層はいくらか存在するかもしれない。
 しかしながら、ジョイボーイの名が一種の称号であり、いずれ再び世界に現れることまで把握している人間は、ラフテルに辿り着いたロジャー海賊団と、せいぜい政府の中枢くらいのものだろう。

 では、カイドウは一体誰からジョイボーイに関する情報を得たのだろうか?

 よくよく思い返して頂きたい。
 ジョイボーイという名の王の再臨について語っていた存在が、ロジャー海賊団の他にもいたはずだ。

 そう、海王類である。

 かつてカイドウがまだ闘魚として海中にいた頃に、海王類達からジョイボーイと世界の秘密に関する情報を、断片的ながらも聞かされた
 そして、ウオウオの実を食べて人間の姿を得た後に、その意味するところを理解した。

 こう考えれば全てのツジツマが合うのだ。

 

【滝登り】

 鯉の滝登りならぬ、闘魚が青龍となった構図は、ワノ国という舞台とも綺麗に整合する。
 尾田先生がワノ国の入り口にあの大滝と鯉を用意したのも、カイドウの正体と重ねる為の布石だろう。

 中空の鬼ヶ島から転落し、海中に沈んだルフィであるが、モモの助が何者かの声を『聞いている』ことを考えると、もしかしたら滝を登ってワノ国へとやって来た海王類が、ルフィを助け出す展開になる可能性もある。