答え合わせはいつになるだろ。
【パラミシアの覚醒】
「能力は稀に『覚醒』し、己以外にも影響を与え始める」とは、ドフラミンゴの言葉である。
動物(ゾオン)系の覚醒は明らかに能力者自身に作用するものだったので、これは超人系における覚醒の解説だと考えて良いだろう。
ドフラミンゴのこの言い回しと、現在作中で描かれているイトイトとモチモチの二例の覚醒から考えるに、超人系の覚醒は周囲の物体に影響を及ぼすものと決まっていると思われる。
つまり、『FILM GOLD』にてゴルゴルの実の覚醒として描かれた「黄金の状態を感知できる」といった能力は、あくまでも映画オリジナルのもので、原作設定ではないのだろう。
また、イトイトの実のように「自身の肉体から特定の物体を出す」種類の能力も、モチモチの実のように「自身の肉体そのものが変化する」種類の能力でも、覚醒の内容は「周囲の物体を特定のものに変化させる」と、共通していた。
他の超人系も同様だとすれば
・ゴムゴムの実→周囲の物体をゴムに変化させ、それを自在に操る。
・ドルドルの実→周囲の物体を蝋に変化させ、それを自在に操る。
・トゲトゲの実→周囲の物体から棘を生み出し、それを自在に操る。
・ブキブキの実→周囲の物体を武器に変え、それを自在に操る。
といったものになるだろう。
【元々他に影響する能力は?】
さて、自身の肉体が何かに変化したり、自身の肉体から何かを生み出す系統のパラミシアの覚醒は上記の内容で良いとして、悩ましいのが「そもそも最初から己以外に影響を与える能力」の覚醒である。
例えば、「オペオペの実」「ノロノロの実」「ホビホビの実」「メロメロの実」といったような種類の超人系だ。
↑の法則になぞらえるならば、
・オペオペの実→周囲の建造物からもゾーンを張れるようになり、能力使用範囲を広げる。
・ホビホビの実→周囲の物体に触れただけでもオモチャに変えられるようになる。
・ノロノロの実→周囲の物体からもノロマ光子を出せるようになる。
・メロメロの実→周囲の物体に魅了させることで、石に変えることができる。
こんな形だろうか?
とはいえ、ノロノロの実はドルドルやイトイトと同様に「身体から何かを生み出す」系統の能力とも言えるので、「周囲の物体をノロマ光子に変化させる」ということになるかもしれない。
また、イトイトの実とモチモチの実という種類の違う超人系でも覚醒の内容は同一のものであることから、ホビホビのような元々周囲に影響を及ぼす系統の能力でも、覚醒の内容はこれらの2つと似たようなものになる可能性もある。
つまり、「周囲の物体をオモチャに変化させる」といったものだ。
【「稀に」の意味】
と、まとまりの無いことを書いてきたが、そもそも超人系の中でも、「絶対に覚醒しない悪魔の実がある」とも考えられるんだよね。
ドフラミンゴの言う「稀に『覚醒』し」の意味するところは、その能力者の適性や鍛錬の如何ではなく、最初から「覚醒する能力」と「覚醒しない能力」が決まっているという事なのではないか、と。
能力者がいくら鍛えても覚醒しない実も存在するからこそ「稀」なのだとすればしっくり来るしね。
オペオペのような元々他者に影響を及ぼす系のパラミシアは、ローがいくら鍛えた所で覚醒する事はないのかもしれない。
【特殊な超人系と自然系の見分け方】
んでもって、ある意味今回一番言いたかったのがこれ。
モチモチの実は単行本修正で「特殊なパラミシア」ということになったわけだが、じゃあ何をもって「特殊な超人系」と「自然系」を区別してるのだろう。
無論、読者としては「餅は何となく自然現象っぽく無いから」で済むわけだが、作中世界では何かしら学術的な理由があってモチモチの実を超人系に分類しているはずだ。
では一体、その根拠とは何なのだろう。
私は「覚醒」の種類こそが、特殊な超人系と自然系を別ける論拠になっているのではないかと想像している。
自然系の「覚醒」は、周囲の自然環境を不可逆的に変化させるものだと考えられる。
一方で、モチモチの実の覚醒は、あくまでも周囲の物体を餅に変化させるものであるが、これは自然環境の変化とは言い難い。
それが為にモチモチの実は自然系のような流動化によるダメージ無効の能力を持ちながらも、超人系に分類されていると考えれば筋が通る。
悪魔の実は少なくとも800年前には既に存在している。
その長い年月の中で「覚醒」も含めた能力の観察と議論の果てに、モチモチの実の分類も決まったのだろう。
まだモチモチの実の能力を覚醒させた能力者がいなかった頃には、自然系に分類されていた時代もあったのかもしれない。